第117章 2回目のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
ひめゆり学徒隊と言うのは
1945年3月末に看護要員として
南風原にある沖縄陸軍病院に配属された
沖縄師範学校女子部と
沖縄県立第一高等女学校の
女子生徒222名と引率教師18名のことを指す
6月18日突然の「解散命令」後
沖縄陸軍病院第三外科勤務の職員や
ひめゆり学徒隊が避難していた
伊原第三外科壕が 米軍のガス弾攻撃 を受け
多くの命が失われた
なかには米軍に掴まる事を恐れて
自ら命を絶った学徒もいた言う
彼女達の置かれていた…環境は劣悪だった
病院とは名ばかりの野戦病院で
負傷した兵士たちの治療をして
再び戦地に送り出すと言う
そんな綺麗な…イメージとは
実際に与えられた仕事は違っていた
建物がある訳でもない
横穴を掘っただけの場所に
ベッドを2段配置しただけの
簡素な作りの言わば
負傷兵の収容所の様な場所で
排泄物の匂いと…
生きながらに人が腐敗する腐臭のする中で
負傷した兵士たちの身の回りの世話
年頃の娘には…男性の
下の世話…等…抵抗が強かったに違いないし
その仕事は…治療の甲斐も虚しく
死亡してしまった兵士の埋葬にまで多岐に渡った
眠る場所もない壕の中で
立ったまま僅かな時間の仮眠を取る
精神的にも身体的にも…
限界を…越える様な…そんな環境
そんな環境を乗り越えられたのは
自分達と同じ境遇を共有している
仲間達の存在だったに違いない
「杏寿郎?ねぇ、杏寿郎。
お花、買おうよ、献花するお花」
ネットで調べた前情報を
頭の中で整理していたら
みくりが俺に声を掛けて来た
「ああ、そうだな…。
だが、そうすると、邪魔にならないか?」
「うん…そうだね、邪魔だよ?
邪魔だけど、そうしたいし、
そうしないと…意味がないんだよ。
あの時の私がした献花も、
ここで買った、200円のお花だよ。
別の場所で買って用意して
来たかったとか…そんなんじゃなくてね」
ちょっと待っててと
みくりが何故か3つ…
花束を買って戻って来て
その花束の1つを俺に差し出して来て
そのまま受け取って 敷地の中を進んで行く
奥には…ひめゆりの塔が見えていて
献花台には既に多くの花が供えられている
先に資料館と言って居たのに
そのまま他の観光客と同じ様にして
ひめゆりの塔の前で献花台に献花をしていて
俺にもそうする様に促して来る