第117章 2回目のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
那覇を出発して
南部に向けて
331号線を南下して行く
その車内で 奥さんが
ひめゆりの塔での
心残りがある様な話をして居たので
その詳細について…
奥さんの話を聞いていたんだが
公園の入り口で献花用の花が売っていて
それを買って ひめゆりの塔に
設置されている献花台に花を供えたのなら
建物の位置関係としても
資料館よりも手前にひめゆりの塔はあるし
多分 ひめゆりの塔を訪れる
多くの観光客がそうしてるだろうが
奥さん的には それが腑に落ちないらしい
「そうだよ、献花したんだよ」
「奥さん?だったら
そんな顔…する程の事でも…無いんじゃ」
「でも…、資料館…見学したらさ。
先に資料館見学してから、
献花をね…してたら良かった…なって」
献花をしなかった事を
奥さんは後悔してるんじゃなくて
献花の順番を…後にしなかったのを
奥さんは…後悔してる…のか??
奥さんはそう言うが
献花を後にしようと思ったら
献花用の花を持ったままで
資料館を回る事になる…のだから
資料館の見学の変な言い方をすれば
邪魔になる…気がするんだが…
みくりの横顔を見ると
その時の後悔の心残りを
思い出してしまってるのか
薄っすらと目に涙を浮かべているから
「ああ、その…あれだ。
行先は…別の場所にしても…」
奥さんは…イルカショーで泣く位の
特殊な…感受性の持ち主だから
そんな場所に連れて行くのは…
今の身重な状態では…避けた方が良いのではと
場所のチョイスを間違えたかと思って
行先を変更するかと提案すると
「ええっ!?行きたいよ。
沖縄…、それこそ、次に来れるの
数年後…になるし…、その時は、
小さい子供連れての旅行だし
ひめゆりの塔行かないかも知れないでしょ?
そう言う感じの場所。あの時の私が…
出来なかった事…ちゃんとしたいから」
そう奥さんに不満を
俺がひめゆりの塔に行かない事を
選ぶ事に対して言われてしまって
「まぁ…奥さんは、
それでこそ、奥さんか…。
よし、なら、行くか。ひめゆりの塔」
そう言って那覇から
車を南に走らせる事30分程で
ひめゆりの塔へ到着した
教科書にもその名が載っているし
教科書で見た
あのひめゆりの塔がある場所だが
ひめゆり学徒隊の最期の地と言われており
その犠牲者の名前が刻まれている慰霊碑がある