第114章 今年の旦那さんの誕生日は… 後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
俺の気の所為でなければ
奥さんのテンションが
ジンベエザメの時よりも高いのは
気のせいじゃないはずだ…
「昔テレビで、マナティが
キャベツを丸々1玉抱えて
食べてるの見た事あるよ~」
マナティ館の中に居る
マナティを眺めている
奥さんを後ろから眺める
「何をどう…眺めたら…。
これが人魚に見えるだかな」
「え~?多分、昔の人が
マナティ見た時にさ、
一緒に美女が居たんじゃない?
んで、美女とマナティが数匹いたから
そのマナティで美女の足が隠れて
あの尻尾が美女の足みたいに見えたんだよ」
「ああ、何か…そんな感じの…
目の錯覚の写真で…隣の人の手が
その人の腕が増えたみたいに…
見えたりする感じの…あれか…」
マナティの水槽の前に居る
みくりの隣に移動すると
ゆったりと泳ぐマナティを眺める
「可愛いね。マナティ
ほんわかしてて、罪が無くて…」
「そんなの…彼等にしか分からないだろう?
あの顔の奥で、彼等にしか分からない
葛藤があるかも知れないだろう?」
ピロン…っと起動していた
美ら海水族館のアプリの通知音がして
もう10分程でこの近くの
オキちゃん劇場でイルカショーがあるらしく
イルカショーを観る為に
ショーのスタジオへと移動して
開いている適当な席に並んで座った
「丁度いいタイミングだったな…」
「確か、ガイドブックに載ってたけど
ここは、美ら海水族館の外で
海洋博公園の敷地の施設だから…
イルカショーは無料で見れるらしいね」
「気になったんだが、オキちゃんは誰なんだ?」
イルカラグーンとか
イルカショースタジオとか
大体そんな名前になっているが
ここのイルカショーのスタジオは
何故か固有名詞になって居て
「オキちゃんは…、
この海洋博公園のアイドルだよ」
「ご当地アイドルか?」
みくりの言葉に
フリフリの衣装のアイドルが
マイクを持って歌うバックで
イルカがジャンプでもする光景が
杏寿郎の脳内で想像されてしまったのだが
「オキちゃんは、ミナミバンドウイルカだよ。
オキちゃんは、ミナミバンドウイルカの
最長飼育記録…の保持イルカでね。
その記録は今も更新中で、
毎日現役でショーにも出演してるんだよ」
「イルカの寿命はどれぐらいなんだ?」
「ミナミバンドウイルカ?
飼育下だと、30~40年らしいよ」