第113章 今年の旦那さんの誕生日は 前編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
「うん…そうだよ、こうして
私と杏寿郎が話してる声も…
お腹の中から…聞いてるんだってさ」
杏寿郎がお腹に添えてくれている
その手にみくりが自分の手を重ねて
それに応えるようにして
お腹がポコッと動くのを感じる
ゆっくりと沖縄の海に
沈んで行く夕日を2人で眺める
夜が来れば…鬼が動き回る時間になる
あの頃の…大正を生きていた
私と杏寿郎にとっては…こんな風に
穏やかな気持ちでゆっくりと
時が昼から夜へと移り変わるのを
眺めたりすることは…出来ないのだから
青い空と海が夕日の色に染まり
青い世界が金色の世界に移り変わる
「綺麗…、今まで…あっちこっちで
杏寿郎とサンセット見て来たけど…
今日の…夕日が…一番綺麗だって、
毎回…そう…思ってた…けど…」
「だったら、今日の…今のサンセットが
奥さんの中で一番綺麗な夕日って事か?」
「でも…明日の方が…、
もっと…綺麗に…見えるのかな…?」
トン…っと杏寿郎の肩に
みくりがもたれ掛ると
くいっと顎の下に手を添えられて
上を向かされると近付く顔に
キスの予感を感じて瞼を閉じた
一瞬の…輝きを放ちながら
海に沈んで言う夕日をバックに
みくりと杏寿郎の影が重なる
ーーー
ーー
ー
夫婦水入らずでソファで
寛ぎながらサンセットを楽しんで
それから土間ダイニングで
届けられた料理に最終の仕上げをして
シックな黒の大きなダイニングテーブルに
みくりが料理を並べて行く
3種類の貝の酒蒸しは
3種類の貝のバター炒めになっていて
その他にも 豪華なお造りの盛り合わせ
多分杏寿郎が追加料金で
アップグレードして貰ったのだろう
ラフテーの煮卵添えに
昼間杏寿郎が美味しいと言っていた
沖縄風の炊き込みご飯のじゅうしぃ
島らっきょにモズクの酢の物
ジーマミ豆腐と言った定番の沖縄料理に
シークワーサーの利いた
グルクンの南蛮漬けに
デザートの黒糖プリンと
マンゴープリンがついている
土間ダイニングには
IHのコンロとレンジがあるから
冷めてしまっても温め直せるから
温かいものは温かいままに楽しめる
「追加で…何か、頼むか?」
中華もそのメニューの中にあって
杏寿郎は…麻婆豆腐と
ハンバーグカレーも注文していて
確かに 今日は朝食も昼食も
沖縄らしい料理だったから