第113章 今年の旦那さんの誕生日は 前編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
そう杏寿郎がこちらに尋ねて来て
ガイドブックに載っている場所で
他の行きたい場所はあるかと尋ねて来て
自分がガイドブックの中から
行ってみたいなって思う場所を
杏寿郎に伝えた
そうして沖縄への期待を胸にしながら
快適な空の旅を楽しむ
ベルト着用サインが点灯して
那覇空港へと着陸の為に
高度を下げる準備に入るとアナウンスが流れて
サインが付いてない間も
ベルトは着けたままにしていたから
着陸態勢になる為に段々と
それまでは雲の上の青空しか見えなかった
窓の外の景色が 高度が下がって来ると
窓の外に海が見える様になって来て
下に見える景色も最初は…
小さかった建物が大きく見える様になって
もう10分程で…予定通り定刻に
那覇空港に到着すると
機長からの機内アナウンスが流れて
離陸の時はあんな感じに
テンションが高かった奥さんだったが
着陸の時はいつも通りの
普通のテンションだったので
奥さんは離陸するのが好きなんだなと
思いながらみくりの横顔を見ていた
飛行機が着陸して
機体の前方の乗客から飛行機を降りて行く
その通路の列に並んで
飛行機から降りると
ムワッ…とした 湿気の多い空気を
自分の肌で感じて
沢山並べられている胡蝶蘭を見ながら
ぞろぞろと預けた荷物を受け取りに
表示に従って荷物の受取所へ向かう
クイクイとみくりが
杏寿郎の袖を引っ張って来て
「ねぇ、杏寿郎…」
「荷物なら俺が受け取りして置くから
奥さんは隅の方でゆっくり待っててくれるか?」
荷物が出て来るまでに時間があるから
その間におトイレに行って来ると
杏寿郎に伝えたかったんだけど
お腹が目立つ様になって来て
前よりもおトイレが近くなってるのは
自分でも何となく自覚してるので
旦那さんの方…に先に
気を遣って貰われちゃったな
おトイレを済ませて
壁にもたれ掛りながら
杏寿郎が荷物を受け取るのを待って
荷物の受取所から外へ出ると
めんそーれっと書かれた看板と
沖縄の海の熱帯魚が泳ぐ
水槽が出迎えてくれて
飛行機の到着は16時丁度だけど
荷物を受け取ったりなんかしてたら
20分くらい…経過していて…
キャリーバックを押しながら
意気揚々と空港の外に出ると
沖縄は…梅雨らしい雨模様だった
「さて…ああ、居た、居た。…あっちだ」