第113章 今年の旦那さんの誕生日は 前編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
杏寿郎がそう言って隣を見ると
みくりがゴソゴソと
お腹が邪魔になるからか
手だけを動かして座席の下に置いていた
鞄を下から引っ張り出そうとしていたので
「荷物…、取るのか?俺が取ろう」
取りにくそうにしているので
自分がすると杏寿郎が言って来て
隣の席から私の鞄を
引っ張り上げてくれて差し出して来て
杏寿郎の手から自分の鞄を受け取ると
自分の鞄の中から
大きなサイズのガイドブックは
邪魔になりそうだからと
本屋で買った ココミル沖縄を取り出して
「これ、買ったんだよ。
沖縄のガイドブックの小さめのやつ」
今まであっちこっちに旅行に行ったが
奥さんがガイドブックを買うなんて
今までの旅先では無かった事なので
交際してた時から何度も
沖縄行きたいとは…言っていたには
言っていたのだが ここまでの物だったとはな
「奥さんは沖縄は行った事あるのか?」
「あるよ…、家族旅行でね。
杏寿郎は?沖縄は行った事あるの?」
「ああ。俺は高校の時の、
修学旅行が沖縄だったからな」
「何て言うかさ…、
私の勝手なイメージなんだけどさ。
杏寿郎ってさ、エイサー似合いそうだなって」
私の勝手なイメージだけど
日焼けしたら…沖縄の地元の人に
混じってても違和感ないよなって
お祭り男…感あるし…
そう言えば…前のネモフイラパークでも
太鼓の王子様とか…呼ばれてた位だし
太鼓と杏寿郎は…ベストマッチな気がする
「今回の旅行は…、とりあえず…
美ら海水族館には行く予定にはしてるが。
那覇から美ら海水族館のある本部までは
それなりに距離もあるし、
周辺の観光とかも長崎の時みたいに
奥さんが無理しなくて良い様に、
詰め込み過ぎないプランで
観光するつもりにしてるんだが。
奥さんのご希望があれば、考慮するぞ?」
私がガイドブックを買っていたから
どこか気になる所があるのかと
聞いて来たので
パラパラとココミルのページをめくって
「これ、食べたいな…美味しそうだし」
第一牧志公設市場には行くと
杏寿郎が言っていたから
国際通りに行くなら…気になって居る
あるお店が載っているページを
開いてこちらへこれと指さして
みくりが杏寿郎に見せて来て
「ああ、ここか?国際通りにあるなら、
夕飯の前にでも寄るか?」
「うん、良いの?」
「他にはあるか?」