第111章 九州に行ってきました!その2 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
このバーダイニングのスタッフが
入れ替わりで料理を提供して来て
コトッ……と すぐ自分の隣で音がして
杏寿郎がその音の方を見ると
カクテルグラスが置かれていて
『こちら…、本日の食前酒にどうぞ…』
とうグラスを置いてその手を引いた
その人物の声に杏寿郎は聞き覚えがあった
『本日の食前酒の方…はある方からの
サービスになっておりますので、ご安心を。
煉獄様にはギムレットを、奥様には
ノンアルコールのカクテルを…
ご用意しておりますので。
ご安心してお飲みください』
みくりにはオレンジジュースを
使ったノンアルコールのカクテルを
食前酒の代りに提供してくれたらしく
杏寿郎がテーブルの上の
カクテルグラスのギムレットを見つめると
「……憶えていて…下さったのですか?
宿泊した訳でもない、
只の一介の客の一人だったのに」
そう言っているが俺にも
このギムレットを俺に提供してくれた彼が
あの時のバーテンダーの彼だとは
記憶に残っている
『お客様…は、ギムレットの…
カクテル言葉…と言うのはご存じですか?』
カクテル言葉と言う聞きなれない言葉に
みくりが小さく首を傾げる
「花言葉…みたいなのが…、
カクテルにも…あるんですか?」
『奥様のそのカクテルは、”シンデレラ”と
言う名のカクテルになりますが。
カクテル言葉は夢見る少女…、
お酒が飲めない方でも、この様な
お酒の席を楽しめる様にとの
こちら側の願いが…、
込められているカクテルになります』
一瞬夢見る少女と言われてしまって
自分は少女などと大凡呼べた物ではないと
そうみくりは思ったが
ダイニングバーの雰囲気を
妊娠中の私も楽しめる様にと…
このバーテンダーの人が…
配慮してくれた…1杯の様だった
バーテンダーの男性が
みくりに向けていた視線を
杏寿郎の方へと向けて来て
『ギムレットの…カクテル言葉…を、
まだ、話しておりません…でしたね。
ギムレットのカクテル言葉…は、
遠い人を…想う…になります。
あの夜の…、お客様は…遠くの方を…
確かに…思われておられたようでしたので…』
ふっ…と杏寿郎が
バーテンダーの言葉を聞いて
納得が出来たと言いたげに頷く
※こちらのバーテンダーさんと
カクテルのギムレットは
P2531に登場しています