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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第23章 惣菜屋さんの筑前煮 後編 お相手:煉獄杏寿郎


そして 思い出した

日本一の筑前煮を
とっても美味しそうに

食べてくれた男の人の事…

あの時の あの男の人は
…槇寿郎様… であられたのね

「杏寿郎も、戻ったし。
我々はお暇させて頂こう。
帰るぞ?千寿郎…」

「ああ。はい。みくりさん、
筑前煮美味しかったです。
ご馳走様でした」

「あのっ!お待ちくださいませ」

普段からあまり
大きな声を張り上げたり
しないみくりが
大きな声で2人を引き留めた


「槇寿郎様。
お持ち…頂いてもいいでしょうか?
その、…日本一の筑前煮を…
父も喜びますので。
あの時の事を、思い出しました…。
槇寿郎様が、あまりにも美味しそうに
食べてくれたので。父は…、
店を…畳むのを辞めたんです」

「店を畳む?それは一体…」

「後から、聞いた話なのですが…
あの頃に大通りに新しく出来た、
店に客を取られてしまっていて
店を畳むか、悩んでいたそうです。
私も当時、まだ幼かったので、
商いを変えるのだとしたら、今の内だと…。
でも、あの時、槇寿郎様が父の筑前煮を
とても美味しそうに
食べてくれたのを見て…。
父は惣菜屋を続ける事にしたんだと…
生前…話していた事が
ございまして…ですので」

みくりが筑前煮を手際よく包んでいくと
その包みを槇寿郎に差し出した

「お礼を言わなくてはならないのは、
こちらの方です…
ありがとうございました。
あの時…父が、槇寿郎様に
出会ってなければ…ここは」


今頃 惣菜屋ではなかったのかも知れない


「みくりさん。ひとつばかり
お願いがあるのだが…いいだろうか?」

「はい、何でしょうか?」

「売り物ではないと、
先程おっしゃられていた
日本で二番目の筑前煮も
包んで頂きたいのだが?」


「えええっ?あの、あれを…ですか?」



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