第23章 惣菜屋さんの筑前煮 後編 お相手:煉獄杏寿郎
どうしたらいいものかと
みくりが戸惑っていると
ポンと後ろから杏寿郎が
みくりの両肩に手を添えて来て
「あれは、
俺の日本一の筑前煮ですので。
父上には
遠慮して頂きたくありますが?」
「ええ?でも、杏寿郎さん。
その…少々。作り過ぎて
しまっておりますのに?」
それは 日本一なのか
惣菜屋さんの筑前煮
はたまた 世界一なのか?
「貴方が俺の為に
作って下さったのならば、
日本一ではなくて、
世界一の筑前煮…に違いない。
俺が…、全て…頂きたくありますが?
いけませんか?みくりさん」
「あ、あのっ。杏寿郎さん…」
「では、我々はこれにて失礼…」
「お邪魔致しました。みくりさん」
そう言って頭を下げると
2人は店を後にしてしまって
2人きり になってしまう
「貴方に食べさせて…頂きたくもあるが…」
「え?あのっ、今は…
お食事のお時間では…それに
あの。店がまた…
じきに…、混み合ってきますし…、ね?」
そのまま後頭部を支えられて
片腕を掴まれて
唇を重ねられる
「んっ、…ふぅ…ん。杏寿郎っ…さん」
「それに、まだ…
店が混み始めるには
幾ばくか…の
猶予があるようにありますが?」
惣菜屋さんの筑前煮
とにもかくにも 貴方が 一番…
きっと それには 間違いなどなくて
さつまいも入りは
特別な 貴方だけの
杏寿郎さんだけの筑前煮
「あの…?
杏寿郎さん…今から、ですの?」
「ええ。勿論。
俺はそのつもりにありますが?
貴方を食べてもいいのは、
俺だけの特権にあります故。
…お嫌…でありましょうか?」
惣菜屋さんの筑前煮
でも 今食べたいのは
筑前煮よりも惣菜屋さん
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惣菜屋さんの筑前煮
最後までお付き合い頂きまして
ありがとうございました。
と、言いましても実は。
私が書きたいと本当に思って居た
後日談は、筑前煮の時間軸よりも
更に未来の話だったりします。
んで、槇寿郎様と、夢主の母親の下り。
流れがちょっと、
ラストで変わってしまったので。
入りませんでしたっ、すいません。