第109章 ねぇ、ねぇ。ねーぇ? お相手:時透無一郎 R-15程度
ぎゅっと無意識に
自分の唇を固く結んで閉じてしまうと
「ねぇ…、みくりは…。
僕と…、こうするの…嫌なの?」
じっと熱のこもった様な
普段の無一郎からは想像も出来ない様な
危うさと儚さの中に…確かな熱を
感じさせるような視線を向けられてしまって
見た目こそは…美少女でしかない彼の
男性…の部分を
嫌でも見せつけられてしまって
どうにも…お伺いを立てている…のに
こちらに拒否権は与えられてない様な
そんな気さえしてしまう…
「嫌…じゃ…、な、…い…ッ、
んんっ!?…んっ、ふ…ぅ…ん…」
ギュッと指を絡めて繋いだ手に
無一郎が力を込めて来て
その手の力から…彼の気持ちが…
こっちに流れ込んで来るみたいにも感じる
「みくり…っ、みくり」
口付けの合間に名前を呼ばれてしまって
自分でも…どうすればいいのか
切ない気持ちで 胸の中が一杯になって
苦しいって思うばっかりで
自分の中で感情を持て余しているのを感じる
「んっ、…無一郎…く…んッ、す…き…ッ」
きっと…今 自分の胸の中を
埋め尽くしているこの切ない感情を…
言葉にするのなら…これが…きっと
一番近い…んだろうなって
そんな風に考えていて
「ねぇ、みくり。
もっと…、言って?好きって言って」
「んっ、好き…っ、無一郎君…っ、
好き…、無一郎君が…、好きなの…ッ」
する…っと指を絡めて繋いでいた手を
無一郎が解放して来て
ぎゅうううとその腕に抱き締められてしまう
一気にお互いの身体と身体の
密着度が増して 衣服は纏っては居るが
その華奢で中性的な見た目とは裏腹に
その隊服の下の身体は…硬くて
逞しい筋肉質な身体をしてるのが…
お互いの身体を寄せ合って
押し付け合った場所から
伝わって来て
こんな風に女の子…みたいに
綺麗で可愛い顔してるのに…
しっかりちゃんと…男の子なんだなって
「……みくり、好き…って
みくりに言われたら…、
…落ち着かない…みたい…なんだけど?
もっと、みくりに、
口付けたい…って気分になる…それに…」
「それに…?」
「それだけじゃ…、全然、
足りないみたいなんだけど?
僕の事…をさ、そんな気持ちにさせて置いて、
ねぇ、みくり。僕の事、
どうしてくれるつもりなの?」
「でも…ッ」