第109章 ねぇ、ねぇ。ねーぇ? お相手:時透無一郎 R-15程度
「うん…、いいよ」
そう答えて
ちゅ…ちゅ…と
小さな音を立てながら
ほんの一瞬…だけ
数秒の間だけ
触れる唇の感触が
触れる度に
胸がギュッとなって
離れる度に …切なくて寂しくて
もどかしい様な…そんな気持ちになる
ちゅ…っと無一郎の唇が
自分の唇に重ねられて
一瞬のわずかな時間だけ触れて
離れるのをギュッと
無一郎の隊服を掴んでその場所に
彼の身体を留めさせる様にしてしまって居て
「……さっきのじゃ、物足りなかったの?」
「…そう…、みたい…。だから…」
「いいよ。じゃあ、今度は
もっと…、ゆっくり…してみる?」
「う…ん…、してみる…」
もっと…彼と唇を重ねてる時の
その感触を…わずかな時間だけじゃなくて
長く…感じたいと思ってしまって居て
スルッと…無一郎の手の平が
私の頬に触れて来て
スルスルとその手の平に
頬を撫でられると
彼の指が耳の横から髪の中に挿し込まれて
髪を撫でつける様に
手櫛で梳かされて行って
無一郎の手が…自分の後頭部を
支える様にして…添えられていて
ちゅ…ぅ…っと重ねて来た唇を
グイっと押し付ける様にして
唇に押し当てられてしまう
「んっ………」
押し付けられる彼の唇を
少しづつ無一郎が
角度を変えながらずらして来て
むにゅむにゅと
唇の感触を楽しむようにしながら
彼の唇にこちらの唇を挟まれると
ちゅ…と挟んだ唇を
無一郎に吸いあげられてしまって
びくっと思わず 自分の首を振って
その無一郎の口付から
逃れようと身じろいでしまうのを
グイっと…後頭部を動かない様に
彼の手に固定されてしまって
無一郎からの口付けを…
受け入れるままになってしまう
「…ふぅ、…ん…ッ」
「みくり…、まだ…大丈夫そう?」
もっと…口付けたい…と
そう思って 唇が離れてしまうのを
止めた方は自分の方だったのに
自分が想像している口付けよりも
クラクラと眩暈がしそうな程に
身体の芯が熱くなってしまいそうな
そんな口付けをされてしまって
「もっと…、したいんだけど?
ねぇ、いいでしょ?みくり」
そうこちらにお伺いを立てる様に
無一郎が尋ねて来て
もっと…口付けたいと強請られる
ぬる…っと…こちらの閉じている
上唇と下唇の間を
舌先で開く様に促す様にして
無一郎の舌がなぞって来て