第109章 ねぇ、ねぇ。ねーぇ? お相手:時透無一郎 R-15程度
バラバラの点と点を
無理やり結び付けようなんて
そんな事を考えるのも望むのも…
終わりにすればいいって
「…もう、おにぎり…、
無一郎の為に作るの…辞めたい」
「ねぇ、みくり。
……どうして?そんな嘘…付くの?」
「嘘なんか…ッ、ついてないッ…」
そう 嘘なんかじゃない
もう嫌になった…嫌だって
そう思ってるのは嘘じゃない…
「だったら…、どうして泣くの?」
そうこちらの問いかけて来る
無一郎を下から見上げて来て
彼の後ろには…自分の家の天井が見える
その自分の目に入って来る光景からは
自分の置かれている状況が
脳には伝わってるハズなのに
理解できないままで居て
上から無一郎に見下ろされてるだけじゃなくて
その彼の手に手首を掴まれて居て
組み敷かれてる…
「やっ、…手っ、放して…ッ」
「やだ、ダメ。放さないから。
ちゃんと…説明して…よ、みくり」
「言える訳…ないでしょ?そんなの…ッ
自分だけが…、無一郎の事が…
好きみたいで…、嫌…だとか…なんて…」
と…そこまで言ってしまって
はっとした所で遅い訳で
「ねぇ、みくり。
みくりは、僕の事…好き?
自分だけが、僕の事が好きみたいで…
嫌になるって、今、言ったよね?」
「やだ…って言ってる、でしょ?放して…」
「ダメだよ?みくり。
放す訳…ないでしょ?
ちゃんと…、みくりの口から。
僕の事が好きだって、言って貰うまでは。
ねぇ?答えてよ…、みくり」
そう耳元で乞う様なそんな口調なのに
どこか命令されている様にも聞こえて
何故か…抗えないと…そう思わせて来る
「んっ、無一郎…君、が、好き…なの…ッ
…――――ッ…!??」
こっちの言葉を遮る様にして
唇を奪れてしまって居て
「んっ…、ンんッ…やっ、…ッ」
自分が望んでいた
恋人らしい男女の展開なのに…
その展開の速さに頭が混乱していて
「ねぇ…、みくり」
そう…無一郎が
静かな笑みを浮かべながら
こっちの名前を呼んで来て
「みくりの好きにしていいよ?
ねぇ、次は…僕に、どうされたい?」
ちゅ…ぅ…と音を立てながら
軽く歯を首筋に立てられると
おにぎりじゃなくて
こっちが…食べられてる様な…
そんな気分になってしまう…
「……ッ、…んぅ…」