第108章 やっぱり花より団子ですか?後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
造幣局への道のりは…
既に人の流れが出来ているから
この流れについて行けば…
問題なく造幣局へは辿り付けそうだ
以前は桜のシーズンになると
この辺りは 屋台がずらっと
道の両サイドにぎっしりと並ぶらしいが
今の屋台はその数はまばらな感じだ
「造幣局の敷地の中には
約140品種。339本の桜の木が
植えられているらしいぞ?」
「と言うか…桜って140も品種あるんだ…
って事にまず…驚いてるんだけどさ…」
造幣局へと向かう人の流れの波に
流れるままに進んで行くと
造幣局の入口が遠くにあるのが見えた
「元々は造幣局の職員だけが、
楽しんでいたらしいが、当時の局長が
局員の花見だけでは勿体ないっと
その一言から始まったのが…、
この造幣局の桜の通り抜けらしいぞ」
「ああ。確かに工場とかの敷地の中に
凄い立派な桜の木が沢山植えてある
工場とかってあるもんね…。
造幣局の桜も、元はそんな感じだったんだ」
人流れを追う様にして 進んでは
立ち止まりをして 進んでまた止まると
「明治16年に最初の、通り抜けが
開催されてから、
今年で丁度、140周年らしいぞ?
2020年と、2021年は
コロナの影響で、中止になったらしいな」
各地のお花見もシートを広げての
宴会も禁止となってたのだから
この大阪の桜の通り抜けも禁止になってたんだな
すっかり河原のソメイヨシノは
葉桜になってしまっているが
門の向こうに見えている桜は
今が丁度満開を迎えているのが
造幣局の門の向こうに見えていて
日が傾いて暗くなる時間だったから
闇の中にぼんやりと
桜が浮かんでいるのが見える
桜の花は枝が高くなり過ぎないように
手入れをされている様で
通り抜け…と言うだけあって
前方に向かって敷地を進んで行くのだが
その視線の先に咲いている桜の花が
常に見える様になっていて
枝を…残されているのだろう
品種の名前が木の幹にぶら下げられていて
「杏寿郎…、これ、可愛いよ」
淡いピンクの色合いの
幾重にも重なった花びらが
多段フリルの様になった
桜の木の下でその花を指さして
みくりが杏寿郎を呼んでいて
「この桜は紅手毬と言うんだな…」
「こっちの桜は大手毬って言うんだね」
八重咲の桜が大きな塊の様になって
毬の様になって咲く桜の花の様だ
「あっち、あっちの…」