第108章 やっぱり花より団子ですか?後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「え…?そうだった…の?
単に…ビリヤードしたかったんじゃなくて?」
杏寿郎と付き合い始めの頃は
その…篠田の事があったから…
杏寿郎とそうするまでには
ちょっと…それなりに…
心の準備と言う名の
準備期間を貰ってたんだけど……
後から何気ない時に聞いた感じだと
杏寿郎は私が篠田にDVを受けていて
その辺りに対するトラウマがあるのだろう
的な感じの解釈をしてくれていた様なのだが
「普通に交際する事に対しても、
あの頃の奥さんは抵抗がある感じだっただろ?
だから…その、いざ、ホテルに入ったとして
イキナリ…そう言う事…とかもな…。
抵抗…あるんじゃないかって…思ったんだ」
「それは…、その…、今だから…の話だけど。
奏さんの事もあったし…、
自分の中ではさ…、未練と言うか。
奏さんしか…居なかったと言うか」
「自分の心は…、彼にあったからこそに
篠田に…身体を方を素直にされる事に
抵抗があった…の…か?」
「それは…っ、大地さん…がッ」
篠田の兄の方…だったか
篠田大地…奏さんの友人の竿師の
篠田の事は篠田だが
その兄の篠田大地の事は
大地さん…だもんな…
あの頃のみくりに取って…は
その存在は…一種の救いの様な物…だったのか
元々 それが狙いで
大地さんとやらのには
やり方は好きにさせてたらしいしな
大地さんと言う名のご褒美目当てに
お仕事を頑張らせる位の
存在だったらしいし…
奥さんは… 俺と出会った時には
既にかなり…開発されていた訳だし
「前々から…気になってたんだが…、
彼には…好意的なんだな…君は」
ビクッとみくりが
肩をびくつかせて
こっちと合っていたはずの視線が合わなくなる
ドクン…ドクン…と心臓が騒がしくなる
一瞬にして脳裏に浮かんで来たのは
あの時…杏寿郎が九州に
研修に行っていた時に
河田に誘われて行った会員制のクラブで
河田から言われた言葉で
ギュウウっと息が詰まりそうな力で
身体を抱きしめられて
ぐっと呼吸が制限されて
その苦しさに現実に引き戻されると
自分の心音しかない世界に
杏寿郎の声が聞こえて来て
名前…呼ばれてた…んだと気が付いた
「みくり?大丈夫か…?
俺の声…聞こえてる…か?みくり」
「うん…、大丈夫…。
ちゃんと、声、聞こえてるよ?杏寿郎」