第108章 やっぱり花より団子ですか?後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
その陰がライトで真っ白な水槽が乗っている
土台の部分に映し出されて居て
シルエットで魚が泳ぐ 動きを
見る事が出来る様になって居る
ゆらゆらと揺れる水面を
映している天井もあって
水面の陰が天井から壁むかって伸びている
子供達はその白い台の上の
魚の影を捕まえようと手を伸ばして居て
「あえて…、影にテーマを絞った
展示になってるんだな…」
そうこの空間は光と影で構成されていて
極力色が落としてあるのが特徴的だった
周囲にも色が殆どないし
泳いでいる魚達の色も落ち着いた色をしている
それまでの明るい空間から
一変して照明も落としてあるから
落ち着いたムードのあるエリアで
「大人のデートにも、ピッタリだな…ここは」
「まぁ…、確かに…雰囲気は…
いいと…は、思う…けど…さ…」
その”およぎにふれる”のエリアの先から
子供達の楽しそうな歓声が聞こえて来るから
杏寿郎の脳裏に前にここに来た時の記憶が
蘇って来て あの時にデートで
奥さんとここに来た時に長時間奥さんの
心を掴んで離さなかったエリアが
この次のエリアにあるのだが
「奥さんも、この先にある物が、
さっきから、…気になってるんだろう?」
ここはそんなに興味が無さそうで
どうにもそわそわとしてるのは
遠くに聞こえる子供の歓声の所為だろうが
「行くか?この先…」
「え?いいの?ここ…気に入ったんじゃ…」
「いや、この先のエリアも
良い感じの場所なのは憶えてるからな」
杏寿郎がこのエリアが薄暗いので
こっちに手を差し出して来て
杏寿郎と手を繋ぐと
そのエリアの先にある
ここよりも更に暗くなっているエリアへと進む
天井に設置された
大きな球体のスクリーンと
その球体の下にある床の部分に
様々な映像が映し出されるエリアがあって
時にそれは 宇宙だったり
森の中だったり 水面だったり…と
様々な顔をその時その時に見せて来る
WONDER MOMENTSは
デジタルアート作品なのだが
流動的に次から次へと映像が
音と共に変わっていくその刹那的でもあり
一瞬一瞬の出会いを
何度も繰り返す内に
それの連続性でもある事に気が付いて…
床に一面に水面が広がり
その波紋が広がる
無数の蝶が飛び交い
床の上には花畑が広がる
子供達が声を上げながら
走り回るとあった花が消えたりする