第106章 夫婦のホワイトデーは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
杏寿郎がとりあえずと言いながら
見取り図になっているイラストの
ある倉庫を指差して来ると
「まずは飯にしないか?」
「舞鶴で、ここでって事は
海軍カレー食べたいって事だよね?」
「ああ。俺は、カレーにするつもりだが。
それ以外にもメニューはあるぞ?
舞鶴は肉じゃがの発祥の地でもあるからな」
肉じゃがと言えば
家庭料理の代名詞の様な物だが
まさか この京都府の舞鶴が
肉じゃがの発祥の地だなんて…
「え?そうなんだ…意外かも…?
でも、舞鶴と肉じゃがって
何か関係があるの?」
「ああ。それか?それはだな…」
旧海軍の時代
舞鶴鎮守府の初代司令長官になった
東郷平八郎は イギリスで食べた
ビーフシチューの味が忘れられなかった
そこで部下に作らせて出来上がったのが
「ビーフシチューを作ってって
頼んで、肉じゃがが出来上がったの?」
何でも当時は
ワインもデミグラスソースもない時代
何とか その味を再現しようとして
しょうゆと砂糖で味付けした
作られたのが和製ビーフシチュー
そのビーフシチューもどきが
今や日本全国の
家庭の味になっているのらしい
「肉じゃが…が食べたくなる話だったか?」
「単に、杏寿郎が肉じゃが
食べたいって話じゃないの?それって」
「そう言えば、今まで…
君が肉じゃがを作ったのを
俺は食べた憶えが無いんだがな?」
「食べたいなら…、作るけど…。
肉じゃがの材料買うなら、
カレーにしちゃうからさ…どうしても」
そんな話をしながら
お目当ての海軍カレーの
食べられる倉庫まで移動する
「舞鶴市内には、ここだけじゃなくて
海軍カレーを提供しれる店が
幾つかあるんだがな。
今度の日曜日の3月26日には
海軍カレーを始めとする
舞鶴のカレーが一同に集う
舞鶴カレーフェスタが開催されるらしいぞ?」
そう言って 妙に詳しいなと
思って居たら壁に貼ってあった
ポスターを見ていたらしく
杏寿郎がそう言って来て
「それは、今度の日曜日に
ここに、カレー食べに来たいって事?」
「前のクインテットのまかないで
食べた、あのカレーは美味かったな」
これからお昼にカレーを食べるって
話をしているのに
違うカレーの話を杏寿郎がして来て
「杏寿郎は、カレー好きだねぇ~」
「あのカレーも美味かったが。
奥さんの作る、キーマカレーがいいな」