第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
洗い場で全身を洗って
一緒に陶器で出来た湯船に浸かる
こんな海に面した 露天風呂で
天然温泉を2人占めできるのは
この上ない程に贅沢な時間に感じる
勿論 遮る物は目の前にないので
夜は真っ暗で星空位しか見えないが
波の音のBGMは24時間楽しめる
「朝も、入るか?風呂」
「そうだね、入りたいな。朝にも。
このお風呂の朝風呂は
贅沢な眺めだろうね、きっと」
「それに眺めは楽しめるが、
誰からも見られる心配も無いしな」
そう言って杏寿郎がニコニコしているので
ここでちょっとえっちな事を
したりしても大丈夫だろう?って
杏寿郎は言いたいのだろうけども
確かに向かい側は海で 見られる心配はないが
隣も隣も反対の隣も舟屋なのだから
声は…ここで出してしまえば…
バッチリと聞こえてしまう…と
私は思うんだけどなぁ~
「見られなくても、声は聞こえるじゃんかッ」
「ダメか?」
「ダメな物は…、ダメです…ッ。
だって、杏寿郎さ。そう言うの
いいよって、許したら。
絶対、そうしてる内にさ、
段々エスカレートしてくるじゃんか」
きょとん…と 杏寿郎が
男性にしては大きな目を丸くしていて
びっくりした時のフクロウみたいな
そんな顔をしてこっちを見ていて
「どうしたの?そんな顔してさ」
「なっ、何で、知ってるんだ?」
「あのねぇ、私は、
杏寿郎の奥さんなんだからね?
それ位は、自分の旦那さんの。
杏寿郎の事なんだから知ってるってば」
うーんっと杏寿郎が腕組みをしながら
今度は難しい顔をして唸り声を上げていて
「どうしたの?杏寿郎、そんな声出して」
「ここで、えっちな事を
するのがダメなんだったら…。
キスまでならいいか?みくり」
「ん~ん?どうしようかなぁ~」
そんな風にわざと 杏寿郎の申し出に
勿体付ける様な感じの返事を返すと
ふふふとみくりが笑って
「いいよ、しよっか?キス」
「いいのか?しても」
「キスなら、良いよ。キスならね?
キスしながら、あっちこっち、
触ったりしなかったらいいよ」
そうこっちから杏寿郎の耳元に
みくりが囁き掛けると
ちぅ…と杏寿郎の耳の縁に
キスをみくりが落として
そのまま耳の縁をキスでなぞって行く
「何だ?俺にさせるんじゃなくて…。
奥さんが俺に、キスをするって事か」