第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
こっちが腕枕で横になれる様に
杏寿郎が伸ばした腕の上に
頭を置いて杏寿郎の隣にスペースに
寄り添う様にして収まる
「ちょっとこのまま、休憩して。
落ち着いたら…風呂にするか…」
よしよしと杏寿郎の手が
みくりの頭を撫でて来て
その心地の良さにうっとりと目を細めて
スリスリと杏寿郎の胸板に
自分の頬を無意識に擦り付けてしまっていて
「うん、あのお風呂…、
温泉だし、一緒に入るの楽しみ…」
そのまま心地のいい倦怠感に
いつの間にかウトウトしてしまっていて
ーーー
ーー
ー
意識がぼんやりと浮かびあがって来て
瞼を開くと…
知らない部屋の景色が目に移って
あれ?ここ…どこだろう?と
ぼんやりとしながら考えていると
ハッと意識がハッキリして来て
「ねっ、寝ちゃってた…ッ、杏寿郎…?」
杏寿郎の隣で寝転がっていて
知らない間にうとうとしてしまって
慌てて身体を起こしたが
隣に居たはずの杏寿郎の姿は無くて
キィっとテラスに続いている
ドアの向こうから
杏寿郎がこっちに戻って来て
「ああ、目が醒めたか?みくり。
あっちのお湯張り出来てるぞ。
風呂の前に、何か飲むか…?」
「お白湯…、もう冷めて常温かもだけど」
「白湯?ああ、ポットに残ってる
お湯だったものの事か?」
立っている者は親でも使え…とは言うけど
お湯張りしてくれてた杏寿郎に
ついでの様にして
ポットの中に残っていた
お湯が冷めた物を湯飲みに入れて
杏寿郎がこっちに持って来てくれて
「これでいいのか?みくり」
「うん、ありがとう。杏寿郎」
杏寿郎が差し出してくれた
白湯の入った湯飲みを受け取って
ゴクゴクと喉を鳴らしながら
乾いていた喉を潤す
「美味しい…」
「美味いってほどの物か?
ただの醒めた湯だろう?白湯」
「そうだけど、染みると言うかさ。
身体に優しい味がするでしょ、白湯。
それに一度沸かして冷めた物だけど、
白湯には健康効果があるんだからね」
「そうなのか?だったら…飲んでみるか」
そう言って自分も
白湯に興味がわいたのか
杏寿郎がポットに残っていたお湯を
湯のみに入れてグイっとそれを飲み干すと
「まろやかな感じがする、ぬるい水だな」
「50度ぐらいが良いらしいけどね」
白湯を飲んで一息つくと
そのまま 一緒にテラスへ出た