第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「うん…、体勢は…、大丈夫…だよ」
「そうか、なら…。いいな」
こっちの足が辛くない様にって
杏寿郎は支えてくれてるんだろうけど
膝の裏のちょっと上側の辺りに
添えられてる手の感覚を妙に意識してしまって
「身体…、預けてくれていいんだぞ?」
膝の上に横向けに載ってる状態だけど
自分で自分の体重を支えて居たら
杏寿郎の身体にもたれ掛る様に言われて
促されるままに杏寿郎の身体に
みくりが自分の身体を預けると
背中を支えていた手が
なでなでとみくりの後頭部を撫でて来る
杏寿郎の身体に自分の身体を預けているから
杏寿郎の首元の辺りに自分の顔が来るから
普通に呼吸をしているだけなのに
鼻腔を杏寿郎の香りがくすぐって来るから
杏寿郎の…匂い…する…
もっと…杏寿郎の 匂い…嗅ぎたいなって
ぼんやりとしながら考えていて
より彼の匂いを吸い込めるように
すりすりと自分の顔をすり寄せて
杏寿郎の首元に顔を埋めると
すぅうううっと大きく鼻から
空気と共に杏寿郎の匂いを吸い込む
「ん?どうしたんだ?奥さん。
嗅ぎたい気分だったか?だが…、
いつも言ってるが、嗅ぐと言う事は…
俺に、嗅がれるんだぞ?って言ってるだろう?」
「でも…、この体勢だったら…」
「嗅ごうと思えば、嗅げるぞ?」
そう言いながら杏寿郎が
座ったままで上半身を前屈させて来て
こっちの首元の辺りに顔を埋めて来て
その辺りに感じる息遣いで
こっちの匂いも嗅がれてるだと思うと
どうにもソワソワとして来て
落ち着かない気持ちになって来るし
私の旦那さんは お風呂入ってない時に
こっちの匂いを嗅ぎたがったり
その…舐めたがったりとかするけど…
こうして 杏寿郎の匂いを嗅いでたら
お風呂上りの彼の香りよりも
彼の匂いを濃密に感じて
鼻腔から脳の方へ抜けていく様な
その香りに 本能が刺激されるのを感じるから
確か なんかどっかで見たけど…
その人その物の匂いが好きって言うのは
本能でその相手を 自分の繁殖相手に
選んでるんだって話…あったな
自分と遠い遺伝子を持ってる相手だから
より強い遺伝子を残せるからって言う
動物的な本能なんだった…け?
頭がぽや~んとして来て
良い匂いだなぁ…って感じながら
嗅がれてる事にぞくぞくと
自分の背筋が震えるのを感じる
ペロッと舌が首筋を這って