第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
俺の隣に座って
俺が淹れたお茶をふうふうして
飲みながらみくりが言って来て
「良いだろう?みくり。
風呂にするにも、まだ早い時間だしな…。
風呂は、もうちょっと後にして。
ここで、一緒にお茶飲んで、
ゆっくりしてからじゃダメか?
イチャイチャしてからでも、良くないか?」
じっと椅子の上で姿勢を崩していた
杏寿郎がこっちの顔を
上目遣いで見つめて来て
「みくり、ダメだろうか?」
何?この旦那さん…
私の旦那さん…若干のうざさも
秘めながらに可愛いんだけど…?
多分私が このあざとい杏寿郎に
若干のうざさを感じてる理由は
この杏寿郎の可愛さが
素直な可愛さじゃなくて
確信犯のそれだから…なんだろうけどさ
それに イチャイチャしたいなんて
そんな事を言われてしまったらさ
ダメとは…こっちも言うに言えない
だけど ここにある
テーブルセットの椅子は
1人掛けのお洒落な
ウォーターヒヤシンスのソファで
丸い形の一部が切り取られてる様な
そんなデザインで下にクッションがついている
この椅子には2人で座れないし
どうやってイチャイチャする気なんだろうか
でもここでって言ってたよね…?
中なら…畳だから
体勢とか気にしなくてもいいけど
でも中でイチャイチャしてたら
そのままする感じになってしまいそうだしな
「ねぇ…、イチャイチャするのはさ、
私も、したいなぁって思うけどね?
その、それは、…ここで…?」
「奥さんが俺の膝の上に、
乗ってくれればいいだろう?」
そう言って飲んでいたコーヒーを
杏寿郎がテーブルの上に置いて
こっちにおいでと言いたげに
その両手を広げて来るから
そこに収まるしか
私には選択肢が無い様な気がして
カタンと座っていた椅子から
みくりが立ち上がると
肘置きのなってる部分は高さがあるから
普通に杏寿郎に背中を向けて
杏寿郎の膝の上に座ると
そのまま杏寿郎が
こっちの背中と足を支えて来て
横向けになる様に座り直させられて
そのヒヤシンスソファの
肘置きになる部分に
こっちの両足を
預ける様にしてそっと乗せると
「どうだ?みくり。
足…、体勢辛くないか?」
そうこっちの体勢に
無理はないかと確認されて
そんな風に優しい言葉を掛けられて
自分の旦那さんに
思わずキュンとしてしまっていた