第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
『すいません、失礼致します』
そう個室の襖の向こうから声が聞こえて
店の人が今から料理する
タグ付きのまだ生きている
動いている間人ガニを見せに来てくれて
『本日は、こちらの蟹の方を…
お料理させて頂きますので…。
コースのお品書きの方はそちらに…』
夕食はブランドガニの
間人カニを使ったフルコースで
地元のお魚のお刺身の盛り合わせもついていて
さっきまで生きていた
鮮度抜群のカニ刺しがその次に運ばれて来て
炭火焼とカニスキ
それから カニの天ぷら
そして茹でガニが届いて
茶碗蒸しへと続いて行く
贅沢なブランド蟹をふんだんに
味わえるフルコースになっていて
杏寿郎は自分が依頼していた
コースよりも成瀬さんが
コースをグレードアップしてたのは
俺が頼んだコースに無かった
茹でガニが届いたからなのだが
何気に刺身の盛り合わせの内容も
豪華な感じなってたし
普通の白ご飯ではなくて
セコガニ釜めしになって居るから
多分成瀬さんの息がここにまで
掛かっているのは何となくには悟ったのだが
まぁ 目の前の奥さんが
美味しそうに食べているからよしとするか
「杏寿郎、美味しいね」
「ああ、シーズンオフ直前だったから
味、心配してたんだが、美味いな間人ガニ」
「ああ、でも…折角の
雑炊が食べられないのは残念かも。
セコガニの釜めし美味しいけど…ッ」
「美味いぞ、カニ雑炊」
カニスキの量は控え目だったから
雑炊もそんなに多くないけど
私のキャパシティはこっちの
セコガニ釜めしで限界だと言っていて
デザートには
地元のお店のプリンがついていて
これは持って帰っていいらしいので
お持ち帰りして舟屋で頂く事にして
終わりの時間に連絡してくれると
言っていた話の通りに
コース自体は宿泊料金の中なので
追加注文した分と飲んだ飲み物の分の
追加料金だけをお支払いして
そのタイミングで迎えに来てくれていた
送迎の車に乗り込んで舟屋に戻った
舟屋に戻って
持って帰って来たプリンを冷蔵庫に入れて
杏寿郎が備え付けのティファールの
ポットで食後のコーヒーを飲む用意をしていて
「折角だし、コーヒーとお茶を淹れたら
あのテラスの所で飲むだろう?
海は見えないが、星なら見えるからな」
「海の波の音を聞いて、
潮風を感じながらなんて、贅沢だね」