第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
その他にも地区の清掃や
草刈りや花壇の整備なんかも
シルバー人材センターの
地区限定版の様なシステムで
高齢者の働き口を作るのにも
成瀬さんの事業が一役買ってるらしくて
そんな話をしている間に
夕食を提供してくれる
鮮魚料理屋に送迎してくれる
ここの舟屋のオーナーさんが
迎えに来てくれて
その送迎の車に乗り込んで
帰りはその鮮魚料理屋から
こちらに連絡して貰えるらしくて
車で10分もしない場所にある
伊根町の鮮魚料理を提供している
料理屋に到着した
個室を予約してくれている様で
名前を告げると個室に案内されて
多分個室にしてくれたのは
成瀬さんだろうなぁと思いつつ
掘りごたつ席になっている
テーブルに腰を降ろすと
杏寿郎が店の人に
何時もならビールを注文するのに
地酒の冷酒をお願いしていて
なんで日本酒なんだろうと
少しいつもと違う旦那さんの行動が
ちょっと引っ掛かっていたのだが
注文した地酒が届くのを待っている間に
「なぁ、みくり。
今日は、何月の何日か分かるか?」
「え?今日?今日は…、
3月の19日の日曜日だけど…」
「ああ。そうだな…。
じゃあ、奥さんなら知ってると思って聞くが。
明日は、何の日だかわかるか?」
今日が3月の19日なのだから
明日は当然に3月の20日なのだが
そんな分かり切った質問を
何故今のタイミングでして来るかと思って
ある事が自分の脳裏をよぎって
みくりがハッとする
「ええっ、あっ、もしかして…」
にっと杏寿郎が笑顔になって
にこにこと満面の笑みを浮かべながら
人差し指を立てて横に振ると
「ギリギリセーフだろ?みくり。
何せ、今年のシーズンは、明日までだからな」
明日までで今日は
ギリギリセーフと言う
杏寿郎の言葉に自分の脳裏に浮かんでいた
ある事が確信へと変わる
そうだ明日
明日は3月の20日なんだ
一番美味しい旬の時期は
11月からの漁期の中でも 1月だけど…
「杏寿郎…もしかしてっ、もしかして?」
「そのもしかしてだがな?
ここは丹後半島だぞ?食べるだろう?」
「ありがとうございます、杏寿郎様~」
みくりが料理が運ばれて来る前から
机に両手をついて深々と頭を
杏寿郎に向かって下げて来るから
答え合わせをするまでもなく
答えが分かったみたいだ