第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そっとみくりが
自分の目立ち始めた下腹部に
その手を当てて愛おしそうに撫でていて
あの時の…俺と彼女には
叶わなかった未来が…
今の俺と彼女にはあるのだから…
これを…幸せだと感じずには居られなくて
みくりの後ろに
その身体を支える様にして
杏寿郎が立つと
後ろから両手をお腹に当てていた
私の手の上に重ねて来て
「杏寿郎…?」
「みくり…、今の為に…
在ったと…、思ってもいいんだろうか…?」
あの時の…私達には
願う事すらも…出来なくて
貴方にこの想いの一片ですらも
あの時の私は…伝える事すらできずに居て
後ろめたさ…と罪悪感に…
彼の元を離れようとしては…
それを許されずに居て
随分と…時間を掛けた…
遠回りを…ここにたどり着くまでに
して来たのだと…思うと
「杏寿郎…。貴方と…共に、
幸せになりたく…あります…」
「一緒に、幸せになればいい。
俺と君も…は、勿論だが…」
ぎゅううっと包み込む様にして
後ろから抱きしめられてしまって
「3人で…、幸せになればいい。
いや、そうじゃないな、なろう…」
「2人で幸せにじゃなくて、
3人で幸せになるって事?」
「3人でも十分に幸せだろうが、
4人でも、5人でもいいぞ?みくり」
「杏寿郎…」
後ろから抱きしめられながら
みくりが身体を捻って
杏寿郎の耳の近くに
自分の口を寄せて名前を呼ぶと
「ん?どうかしたのか?みくり」
「ううん、大したことじゃないよ。
杏寿郎に、大好きって
無性に言いたくなっただけ…だよ?」
だって 今の私は
いつでも…杏寿郎に好きって言えるから
あの時の私が癒えなかった分の好きも
杏寿郎に伝えられたらいいなって
そんな風に…思ってる…
「俺も、奥さんが大好きだぞ?
大好きも良いが、折角なんだ。
もう一声欲しい所だがな」
「はいはい、杏寿郎、愛してる…よ?
…愛してる…し、貴方を…
お慕い…して、おります…って…。
言いたい、気分…だったりする…かな…って」
ギュウウっと抱きしめられて
杏寿郎の手が
グイっとこっちの顎を
引き上げて来て上を強制的に向かせると
そのまま杏寿郎に
熱い熱いキスをされてしまう
「…みくり、愛してる…ッ」
「んっ、…、杏寿郎…、私も…、愛してる…」