第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
昔話の犬って 割と結構
重要なポジションなイメージがするな
「非戦闘員だったら、犬は
何の役に立ったの??道案内?」
「鬼と人間との戦いの中で、
鬼の軍勢が劣勢になってな。
山の奥深くに鬼達が逃げ込んでしまったんだ」
「え?単に夜明けが近くなって
山の中の日の当たらない場所に
逃げたってだけじゃないの?」
劣勢になった鬼の軍勢が
山の奥深くに逃げ込んだ理由を
みくりがそう説明をして来て
「その時にな、その白い犬が
持っていた鏡に光が反射して
鬼の居所を示したらしくてな
英胡と軽足は官軍に討ち取られ、
残った土熊は現在の竹野で生け捕りにされて
未代の証拠として、
この岩に封じ込められたと言うのが
この、立岩にまつわる鬼の伝説なんだがな」
「本当に鬼が、居たのかな?
この岩の中に…あの後…」
みくりが潮風に乱れる
自分の髪を押さえながら
立岩を目を細めて
遠くを懐かしむ様にして見つめていて
「気になるか…、みくり。
あの時、俺達が…鬼殺隊として
生きていたあの大正…の…時の…、
その後…、どうなったかと…言う事だが」
あの時の
私と杏寿郎が鬼殺隊だったあの時代から
今は令和になって居るけど
令和の今に…あの鬼は…居ない
あの時の私達の
鬼殺隊の永きに渡った
悲願は達成されていて
鬼のいない世界が…ここにはある…
「でも…、今のこの世界に…
鬼が居ないって事は分ってるから…。
だからいいよ、知らなくても…。
もし、あの時の私や杏寿郎が…
鬼の始祖である、鬼舞辻無惨を
討ち倒した時に居たとして…って、
そんな風に想像してさ、考えてみたらね」
「今の世に、鬼が居ないなら…
俺達がして来た事も、…生きた事も…。
失った仲間達も…、己の命も…また
全てが…、今に繋がっている…のだろうな。
そこを知る理由はないと言う、
君のその言葉にも、
どうにも、成程と頷けてしまうな…」
そう話した 杏寿郎の言葉は
どうにもあの時の…
炎柱である 彼の言葉に
その口調のせいか
重なって聞こえてしまうのは
私の気の所為…なんかじゃなくて…
「でも…、あの時、ずっと…思って居て
願っていた…、未来が…ここにはありますから」
そう杏寿郎の言葉に答えた
自分の言葉も…私からであり
あの頃の私からの物でもあって