第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
ここでの売店の買い物は
みくりが自分で支払いをしていたから
俺はここの入館料を支払っただけだ
「何の礼だ?みくり」
「いーのいーの、
お礼言いたい気分だっただけだよ」
「まぁ、それなら…いいが…。
だったら、行くか?」
鳴き砂文化館から
駐車場に戻ると
車に乗って琴引浜を出発する
しばらく青い空と青い海を眺めながら
海沿いの道を杏寿郎が車を走らせていて
「この辺りが、ブランドガニで有名な
間人ガニが水揚げされる、
間人漁港がある辺りだぞ」
「日本海側のこの辺りは、蟹が
どこでも食べられるイメージだけど、
間人は別格なイメージするする。
タグ付き蟹の中でも高級なイメージ」
琴引浜からは車を20分程
走らせた辺りで杏寿郎が車を
観光客様の駐車場に停めて車を降りると
海の中に大きな山の様な
一枚岩が浮かんでいるのが見える
「杏寿郎、ここは?」
「あの大きな岩は、立岩と言ってな。
自然に出来た安山岩高さ20メートル
周囲が1キロにも及ぶ大きな岩だな」
「確かに大きな岩だけど…」
「この立岩にも、
鬼にまつわる伝説があるんだぞ」
杏寿郎はサンセット観るのが好きだから
ここにサンセットを観に来たのかと
思ったんだけど
どうやら そうではないらしくて
この立岩にも鬼にまつわる伝説があるのらしい
「何でも、この立岩は、風が強い日や
波の高い日には鬼がすすり泣く声が
聞こえると言われている場所だからな」
「え?ちょっと待って、杏寿郎。
聞こえて来るって事はさ、
鬼が今もこの岩の下とかに居るって事?」
推古天皇の時代
この辺りの鬼を英胡・軽足・土熊の
3匹の鬼が首領となって
丹後の人々を苦しめていたらしい
「その鬼達の討伐をな、間人皇后
ああ、間人皇后と言うのは、この辺りの
間人(たいざ)と言う地名の由来に
なって居ると言われているんだが。
その、間人皇后と用明天皇の第三皇子である。
麻呂子親王を大将軍に任命し、
鬼の討伐に向かわせたんだ」
鬼退治を命じられた麻呂子親王は
鬼退治の必勝を願って大社にお参りをすると
どこからともなく老人が現れて
『この犬が道案内をします』と
1匹の白い犬を老人から預かり
鬼との合戦が始まったのだそうだ
「犬…?その犬の戦う感じなの?」
「桃太郎なら、犬も
鬼ヶ島での戦いの、戦力だったが…」