第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
杏寿郎が説明してくれるが
「杏寿郎はさ、何で
そんな天女の羽衣伝説に詳しいの?」
「ああ、それか?それは
俺にもさっぱり理由が分からないんだがな。
天女の羽衣伝説がどうも、
引っ掛かってた時期があってな。
色々と調べてた時期があっただけだ」
気になって居た理由も
調べたら分かるかと思ったが
結局分からなかったらしく
丹後型の天女の羽衣伝説は
8人の天女が水浴びをしていて
老夫婦が1人の天女の羽衣を隠して
水から上がれずに困っている
天女に対して
自分達には子供が居ないから
自分達の娘になってくれと
天女を自分達の家に連れ帰り
自分達の娘として面倒をみていた
天女は酒を造るのが上手く
天女が作った酒は
万病に効果があるとされて
たちまち老夫婦も里も大金持ちになった
しかし 天女と生活をして10年ほどすると
老夫婦は お前を娘にした憶えは無い
しばらく住まわせてやっただけだと
天女を自分達の家から
追い出してしまったらしい
「えぇっ?おじいちゃんと
おばあちゃん、身勝手過ぎるしっ。
てか、その天女さんも律儀な…性格で。
羽衣返して貰ったら、3日程で
私だったら、お家に帰っちゃうけどな」
「まぁ、天女だからな。
天女の感覚が10年が3日程だったのかもな」
「追い出された後は、お家に帰ったの?」
「いや、追い出された天女は
最終的に竹野郡に辿り着いて、
その地で、豊宇賀能売命
(とようかのめのみこと)として
祭られているし。もう一つの
天女の羽衣伝説の近江型の方は
七夕の話の元になったとも言われているしな」
そんな話をしながら
境内を杏寿郎と歩いて
「さて、折角。ここまで来たんだから
真名井の水を、頂戴しないとな」
神社の境内には
この真名井の水を汲める場所があって
飲用する事も出来るらしい
「真名井の水は…、最大限の
湧き水に対する敬称だからな。
それに、ここの真名井の水は
天高原から、持ち帰った水らしいからな。
神様御用達のありがたい霊水って事だ」
「へぇ~、神様も飲んでるお水って事?」
「持ってるサーモスに汲めばいいだろう?」
「そうだね、折角の真名井の水…だし。
中のお茶捨てて、お水貰おうかな…」
杏寿郎が水を汲むのを待っていてくれて
サーモスに真名井の水を汲んで戻ると
「前に、白浜で
ヒモロギ形式の話をしただろう?」