第105章 夫婦のホワイトデーは… 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
みくりの言葉の
ニュアンスと言うか…イントネーションに
言葉以上の圧を感じたのは
俺の気の所為では無さそうだな
悪阻にしても出産にしても
こっちは肩代わり出来ないからな…
ナーバスになる…話題だったか…
産むのはこっちなんだよ!…と
怒ってるのかと
その圧から思って居たんだが
ぎゅ…とこっちの上着の裾を
みくりが掴んで来て
「ねぇ、杏寿郎…赤ちゃん産む時さ…」
「俺に罵声を浴びせてしまうかも、
知れないと言う心配か?みくり」
「そっ、それは…、大丈夫…だと
信じたい…けどさ…。
割と、痛みとかは…我慢出来る方だから。
そっちじゃなくて…、不安と言うか…。
その、居てくれるだけで…いいから…。
居て欲しい…なぁ…、って」
はぁっと杏寿郎が
こっちに聞こえるぐらいの
大きなため息をついていて
「そんな事言って、いいのか?
去年の、ホワイトデーの事
もう、忘れてるのか?奥さんは…。
やっぱり俺とじゃなくて、
いちごと結婚した方が良かったかもな?」
「へ?いや…、いちごとは…
結婚、出来ないし…。私はいちごの
赤ちゃんは…、産めない…よ…?
それに、お産の立ち合いして欲しいって
言ってるだけ…、だよ?…杏寿郎さん?」
ズイっと距離を詰められるので
その圧に負けてしまって
こっちが1歩後ろに下がると
またそのまま 1歩距離を詰められるから
その距離が離れる事の無いままで
「だって、杏寿郎が…お父さんなんだから、
そうして貰うのって、普通なんじゃ…」
「俺が言ってるのは、そこじゃないぞ?
それは当然だろう?みくり。
君が俺の子供を妊娠してて、
出産するんだからな」
「じゃ、じゃあ…なんでッ、
当たり前なんだったら、別に…ッ」
「もう一度、言ってくれないか?」
じっとその赤い瞳に
見つめられてしまって
杏寿郎の赤い瞳には
困惑した表情をしている
自分の顔が映っていて
「こ、…心細い…からっ、一緒に
居て欲しいって、言ったんだってばっ」
「みくり」
この旦那さんは
何でスイッチが入るか分からないし
一回スイッチが入っちゃうと
こっちが立てなくなる様な
熱いキスをされてしまうのは
この旦那さんの奥さんをしてるんだから
十分に知っている事なので
スルスルと杏寿郎の指に
フェイスラインをなぞられて