第104章 夫婦のホワイトデーは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「何だ?みくり。
俺が居なくて寂しかったら。
風船で遊んでたのか?」
「流石に、5分も経つか経たないか
位だけ離れたからって、寂しがったりしないよ?
まぁ、杏寿郎が…、九州行ってた時はさ。
私も、杏寿郎が居なくて…。
寂しかったけど……、ね。杏寿郎?」
杏寿郎がみくりの隣に腰を降ろすと
ぴったりとこっちの身体に
自分の身体を引っ付けてくる
「俺が居なくて、寂しかったと
今になって言ってくれるのか?」
「あの時も、言ったもん…」
「今度は俺が…、平日ひとりで
寂しがる番になりそうだな…」
杏寿郎の言葉にみくりが
むっとしていると
九州への研修の時は
こっちが寂しい想いをしたかも知れないが
今度は杏寿郎の方が寂しがる方だと言って来て
「そんなの、7月になって
私が、里帰りしてからの話でしょ?
それまでは、毎日一緒じゃないのさ」
「だが、産んだ後も1ヶ月…あっちに
行ったままなんだろ?実質2ヶ月
平日は会えないって事だろ?俺とは」
今は…3月…なんだけどな
この気の早い旦那さんは
今から7月の事をひとりで先々に考えて
寂しくなってしまっている様で
まぁ杏寿郎らしいと言えば
杏寿郎らしいのかも知れない…なって
そんな事を考えていると
ぷっと思わず勝手に吹き出してしまって居て
「何も、笑わなくても良いだろ?
俺が、可哀そうじゃないか?みくり」
「可哀想もなにも、杏寿郎のさ
気がちょっと…ね、早すぎないかなって。
確かにね、7月から2ヶ月はさ。
あっちの片山の家で過ごすけどね?
まだ、3月なのッ、今はッ!」
むっと杏寿郎が顔を顰めて
こっちに何とも言えない
視線を向けながら
徐にペットボトルの蓋を開けると
ゴクゴクと喉を鳴らして水を飲んでいて
「まぁ、確かに奥さんの言う通りでは
あるにはあるんだがな?
3月ももう残りが…2週間…も無いが。
4月、5月、6月は…丸々一緒に
あっちの家で過ごせるんではあるが…」
「杏寿郎がいいよって言ったんだよ?
私があの片山の家に里帰りするのさ」
「二田の家に、
君をひとりで居させるよりは。
あっちのあの家で世話になる方が、
俺も、心配して不安になる事なく。
仕事が遅くなっても、
仕事に集中が出来るしな。だが…」
だったらいい事だらけなのではと
みくりが思って居ると