• テキストサイズ

ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第103章 ある夫婦の3月のお話 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ



機械は問題なく使えそうだと
杏寿郎が言って来て
説明書に載っている
心音が聞き取れると言う位置を
ジェルを塗ったプロープを滑らせて

探して行くが

この皮膚の表面をプロープを滑らせる
その擦れる音もスピーカーで
拾って来てガサガサした様な
雑音も聞き取れてしまうから

「これは、大体の位置を
探すのに、手間取りそうだな」

「もうちょっと、
この辺り…なのかな?こっち?」

自分のお腹に当てた
プロープを移動させると
スピーカーからトットットットッと
自分の心音にしては速すぎるリズムの
心音らしき音がスピーカーから聞こえて来て

「杏寿郎っ、これじゃない?この音…」

「ああ、そうみたいだな…。
こんな軽い機械で本当に聞こえるのかと
半信半疑だったが、聞こえるものなんだな」

杏寿郎がそう言いながら
目立つ様になって来た
下腹部の膨らみをナデナデと撫でて来て

お腹を撫でる杏寿郎のその手に
みくりが自分の手を重ねる

普通の家族になら

当たり前のこんな時間ですらも

あの時の俺にも彼女にも…無くて

願う事が出来るのならば…

今ここにいる 要が

あの頃の俺とみくりの元に来てくれていた

その子であって欲しいと…

そんな願っても叶うかすらも

分からない願いを願ったりなんてしてしまうのは


きっと…俺だけじゃ…無いんだろうなと

バレンタインの時に日高山で買った
オルゴールをその手で回して
その音色に耳を傾けている
みくりの姿を見ながら思って居て

よしよしと自分のお腹を撫でていた
みくりがその手を止めて

「どうしたんだ?みくり」

「ううん、どうもしない…けど。
幸せだなぁ…って感じてた所だよ」

「そうだな、幸せだな…。
俺が居て、奥さんが居て…、
ここに要が居るんだから…な」

これを幸せだと言わなければ
何を幸せだと言うのかと
そんな風に思いつつも
その幸せを噛みしめる様にして
みくりが目を細めていて

そのみくりの頭を撫でると
すりすりとみくりが
俺の方に身体をすり寄せて来て

みくりの肩を抱いて
その身体を引き寄せるとぎゅっと抱きしめる

「…幸せだね…、杏寿郎」

「ああ、幸せだな…。みくり」

コツンとみくりが
俺の頭に自分の頭をくっつけて来て

/ 4730ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp