第103章 ある夫婦の3月のお話 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
握ってテーブルに持って行って置くねと
杏寿郎に声を掛けようとすると
「いや、今、貰おう」
「え?今、食べるの?おにぎり…」
要するにそれは料理しながら
おにぎりつまみ食いするって事だよね
いや まぁ旦那さんらしいと言えば
らしいのかもしれないけど
握りたてのイカナゴのくぎ煮の入った
おにぎりを小皿に入れて
キッチンに居る杏寿郎の
食べやすい位置に置くと
「はい、杏寿郎、ここに置いたよ?
私は、テーブルの上消毒しておくね」
杏寿郎が夕飯の支度をしてくれている間に
リビングダイニングのダイニングセットの
テーブルをアルコールで綺麗に消毒して
送って貰ったイカナゴのくぎ煮と
ミニトマトのピクルス
最近の季節の常備菜の茎わかめの煮物を
先にテーブルの上に並べて置いて
杏寿郎はチャーハンとスープを
作ってくれてるみたいだったから
冷蔵庫にあったもやしを
電子レンジでチンして
もやしのナムルにしてテーブルに置いた
「来月…になったら、また
たけのこのシーズンになるね。
仕事で中条に行く機会も増えるし。
今年は受け取りにだけ行こうかな~」
「そうだな、来月の楽しみも良いが。
その前に、今月の方はどうするんだ?
今月は、ホワイトデーだろ?
折角、旅行の許可も下りたんだしな
20日に有休取って、
近場で、旅行にでも行かないか?みくり」
割とずっと…県内とか近場で
ちょっとした旅行はしてる気がするけど
「それは、ホワイトデーの…
お返しのってことだよね?杏寿郎」
と言う事は 去年のホワイトデーの
例からすれば 当日まで
その内容も行先も教えて貰えない
旅行会社のミステリーツアーの様な
そんな旅行になるのかな?
旅行に行こうって言って来るぐらいだから
今回は県外に行くつもりで居るんだろうな
「4月は4月で、九州行くのに…?」
「ん?それはそれだし、これはこれだろう?」
まぁ福岡への旅行はこっちの都合で
先延ばしにした部分はあるし
安定期に入るのを待ってた部分はあるけど
みくりが杏寿郎の居る
キッチンの方へ近づいて行って
「ねぇねぇ、杏寿郎…。
今年はどこへ行くの?秘密?」
「秘密なのは秘密だが。
奥さんが、前に話の中で
行きたいって言ってた所…だぞ?
成瀬さんのご好意に甘えればいいだろ?
その方が、あの人も納得する性分だしな」