第103章 ある夫婦の3月のお話 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
みくりの
”夜が楽しみだね”に
俺が別の方向に勘違いをして
勝手に都合のいい妄想をしただけだが
みくりが不思議そうな顔をしながら
こっちを首を傾げながら見ていて
「折角貰った、お義母さんからの
お土産のイチゴ、食べるだろ?
食べさせるか?」
杏寿郎がイチゴを一つ
自分の手に取ってヘタを取ると
あーんと言ってこっちに
イチゴを食べさせようとして来るから
新婚旅行の時に水無瀬島のホテルで
ウエルカムフルーツのイチゴを
食べさせて貰った時の事を思い出す
「いや、そのイチゴ
…紅ほっぺだからさ…大きいんだけど」
お母さんは私が
紅ほっぺが好きなの知ってるから
大きい紅ほっぺを
お土産にくれたんだろうけど
流石に一口では大きすぎて
全部口には入らないし
みずみずしいイチゴだから
杏寿郎に食べさせて貰ったら
イチゴの汁でベタベタになりそうだけどな
「数口に分けて…食べればいいだろう?」
「イチゴは好きだから…、食べるけどさ」
もうちょっと食べやすい様にしてと
杏寿郎の手に自分の手を添えて
自分の口の位置に角度を合わそうとすると
スッとその手の上に
杏寿郎が手を重ねて来て
「ああ、そうだ…、
冷蔵庫に練乳あったぞ?
練乳掛けた方がイチゴ美味しいだろ?」
そう言ってイチゴを
皿に戻してしまうと
キッチンの冷蔵庫の方に
杏寿郎が練乳を取りに行ってしまって
食べさせたい様に杏寿郎が言っていた手前
自分のイチゴを勝手に食べる訳にも行かなくて
杏寿郎が戻って来るのを待っていると
練乳を持って戻って来て
杏寿郎が…真っ赤なイチゴに
白い練乳を掛けるのを見ていて
杏寿郎が持っているイチゴから
練乳が垂れそうになっていて
「イチゴ…、美味そうだぞ?みくり」
イチゴの先端から垂れ落ちそうになっている
練乳を自分の舌の先で受け止めると
そのままイチゴの先の部分を
自分の口に含んで
一口分を嚙みちぎると
中から溢れる果汁が零れない様に
ちゅうううっと音を立てて吸うと
ごく…ん…ッ と喉を鳴らして飲み込む
口の中にはイチゴと練乳の味と
香りが広がっていて
「美味いか?イチゴ。
もっと、食べるといいぞ」
「う…、んッ」
はむっ…ともう一口
杏寿郎の手にあるイチゴを
噛みちぎるともぐもぐと咀嚼する
促されるままにイチゴを食べて