第103章 ある夫婦の3月のお話 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
絵馬を所定の場所に奉納して
元来た参道を戻って
事務所のあった場所まで戻る
授与品のサラシになった
腹帯をお母さんが巻いてくれると言うので
家まで今度は父さんの隣に母さんが座って
私は杏寿郎と一緒に
一番後ろに座ってと言われたので
杏寿郎と一緒に一番後ろのシートに座った
家まではここから30分程度
車の窓の外をぼんやりと眺めていると
「今日にして、良かったな。みくり」
「うん、そうだね。
ふたりだけでも良かったのかもだけど、
大勢で、賑やかな安産祈願でさ
暖かくて、お天気も良かったし。
きっと要ちゃんも喜んでくれてるかもね」
よしよしと更に目立ち始めている
自分のお腹をみくりが撫でていて
杏寿郎もと言って来て
一緒にお腹を撫でる様に言われて
目立ち始めて来たお腹を撫でると
そのままみくりの手に
自分の手を重ねてギュッと握る
「そうだな…、要もきっと
おじいちゃんおばあちゃんも一緒だったし。
喜んでくれていると良いんだけどな。
俺も、嬉しかった…けどな」
「杏寿郎…。まぁ…それは…さ。
私も嬉しかった…けどさ」
グイっと近付けた顔を
みくりに顎に手を当てられて
グイグイと離されてしまって
「みくり。
まだ、俺は…何もしてないし、
言ってすらもないが?
警戒し過ぎじゃないか?」
「警戒もするって…、杏寿郎だし」
ここが一番後ろの後部座席だし
見えないからとか言って
キスしたいとかってこの旦那さんの事だから
言い出して来そう…だしな
もう 杏寿郎だしな…
「なぁ、みくり」
「何??」
「どうして、離れようとするんだ?」
「杏寿郎が、近いから…」
そんなやり取りをしている間に
車は家に戻って来て
車から降りると
みくりはみくりの母親に
腹帯を巻いて貰って来るからと言って
寝室の方へ行ってしまったので
俺の両親は先に帰ると言う事だったので
それをみくりのお義父さんと一緒に
見送ると コーヒーの用意をしながら
みくり達が戻るのを待つ
「杏寿郎君。
この家は…、借家なんだそうだね」
「ええ、そうです。
みくりと相談して、家は…
中条市に建てるつもりで相談中でして…」
「中条にか…、あの辺りは
のどかで自然が豊かだし…いいだろうね」