第23章 惣菜屋さんの筑前煮 後編 お相手:煉獄杏寿郎
「みくりさん、…貴方にある…。
それを俺に罪とお咎めになるのは、
些かお門違いと言う物だ…。
見せて…欲しいと言えば、
俺の願いを、叶えて頂けるのでしょうか?」
そのまま耳の縁から舌を
首筋に降ろして来て這わされる
「んっ、はぁ、
…あっ、…叶え…るとは?」
「俺の言葉で…、
貴方が恥ずかしがる姿を
…俺に見せて…頂きたいと
言ってるのですが?」
「その様な物を見て…如何、んんっ、
なさいますので、はぁ、あっ、ん」
襦袢の上から
乳房に手を添えられて
そのまま揉まれれば
言葉を紡ぐ事さえ
ままならなくなってしまって
「それを、
…聞いて貴方はどうなさるのやら…」
私が恥ずかしがる姿を
見せて欲しいと言われ
それを見てどうするのかと返せば
聞いてどうするのかと
逆に聞き返されてしまった
「そんな事、簡単な事だ。
聞くまでもありませんでしょうに」
そう言って 私の手を取ると
その手の平を自分の胸に重なる様にして
私の手の上から自分の手で押さえた
「杏寿郎…さん?」
彼の行動の意図する所が読めずに
私は戸惑いながら彼の名を呼ぶと
「貴方の、その姿を見て
俺がどうするのかとお尋ねになられたが。
俺の言葉で恥ずかしがる貴方を見て…、
俺の胸が。みくりさん。
貴方が可愛らしくて、愛おしいと言う
感情で満たされるだけの事…」
「杏寿郎さんは、意地が悪い…です。
そんな風に言っても、
誤魔化されませんし?」
杏寿郎の言葉に
みくりが機嫌を損ねてしまって
ぷうと頬を膨らませて
年齢を感じさせないような
子供ぽい拗ね方をして
プイっと顔を杏寿郎から逸らせて
彼に対して背中を向ける
そっと肩に杏寿郎が手を添えて来て
耳元で囁いてくる
「そう、拗ねられるな。みくりさん。
そんな、貴方もまた、
俺は可愛らしく感じるし
愛おしいと思ってしまう…。
こんな俺を…
お許しして頂きたいのだが…」