• テキストサイズ

ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第23章 惣菜屋さんの筑前煮 後編 お相手:煉獄杏寿郎


「その着物を選んで、正解だった。
貴方に良くお似合いだ。
脱がせてしまうのが
少々、惜しくもありますが…」

「でも、…訪問着ですから。
普段に着るような物でもありませんし…」

「なら、遠慮せずに
…脱がせてもいいと?」

「どうせ、戻ったらすぐに、
脱ぐつもりでしたので…一緒です」


ギュッと後ろから
杏寿郎に抱きすくめられて
彼の吐く息が耳元をくすぐる


「みくりさん。それはおかしい、
一緒ではないはずではありませんか?
貴方が、一人でお脱ぎになるのと、
俺が貴方の着物を脱がすのとでは、
同じ脱ぐでも…意味合いが違うと言う物」

そう言いながらも
シュルシュルと帯を解かれる
衣の擦れる音がする…

脱がされている…と言う事を
酷く 意識してしまって

その先に待つ 展開に期待してしまって
自分の心臓の鼓動が早くなるのを感じる

「でも…こうしていると、まるで…」

「まるで…、どうなのですか?」

独り言の様にして
呟いた杏寿郎の言葉に

みくりは思わず聞き返してしまった

「いえ、まるで俺に宛てられた
贈り物の包みでも、
解いている様な気分だと。
そう、しみじみとしていた所です…」

「杏寿郎さんは、…ズルいです」

ストンと解かれた帯が畳の上に落ちて

「ズルい…と仰るのは、何故で?」

腰を引き寄せられ
頬に手を当てられると

逸らせていた顔を
彼の方へと向けさせられる

「お教え、頂いても?」

「爽やかな…何食わぬ顔をして、
とんでもない事を仰るからですっ!」

そう言って
恥ずかしくなってしまって

いたたまれない気持ちになって来て
ふいッと彼から視線を逸らせてしまった

「だったら、厭らしい顔をして
厭らしい事を言って欲しいと…?」

「ちっ、違いますっ、
どうしてそうなるんですかっ。
逆ですから、逆。私は、言わないでと
…お願いしてるのでありますよ?」
/ 4730ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp