第102章 夫婦のバレンタインデーは…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「クリームコロッケだ」
「こら、その言い方はやめなさい。
確かに味や見た目はクリームコロッケだがな。
クロケットの語源は、フランス語の
バリバリと音を立てて噛むと言う
クロケから来てるらしいぞ?」
バリバリと音を立てる…
咀嚼音を立てるなんて
かなりマナー違反な気がするけどな
てか人に言って置いて
杏寿郎もクリームコロッケだって
思ってるじゃんか…と思ったが
小さめのサイズのクロケットを食べ終えると
『こちら、蟹とウニのカクテルの
香草ソース添えになります』
皿に上にはカクテルグラスが乗っていて
お皿の白の余白には
鮮やかな緑のソースで
繊細な模様が描かれている
カクテルグラスの中もムースにも
カニとウニが使われているのか
オレンジの層とピンクの層と
香草のソースの緑の層が見えていて
ムースとジュレの上に乗っている
トッピングの蟹の身とウニの上には
キャビアがあしらわれている
「ん~、美味しいね。杏寿郎」
「ああ。これは美味いな。
蟹も平気になったのか?」
悪阻が酷かった時はカニは~と
言っていたので美味しそうに
蟹とウニのカクテルを食べていたので
安定期に入る頃には
落ち着いて来ると言うのは本当だったんだなと
そう思いながら見ていると
「うん、ちょっと匂いが…気になるけどね。
その、生臭い感じの匂いね」
『すいません、こちら
カリフラワーのクリームスープになります』
そう言って運ばれて来た
真っ白なスープには
パセリではなくてオリーブオイルと
ブラックペッパーが浮いている
「カリフラワーのスープ…だってさ」
みくりは茹でたての
カリフラワーが至高の食べものだと
絶賛してるが…
うちではカリフラワーは茹でるか
素揚げにして魔の食べ物にするかの
2択しかないので
みくりが言うには
カリフラワーの素揚げは
カリフラワー農家さんが
一番美味しいと言う食べ方らしいが
こうしてスープになっているのを
食べるのは初めてだな
みくりがそのスープを
スプーンにすくって飲むのを
杏寿郎が見ていると
すくったスープを口に入れた
みくりが驚いた顔をしていたので
美味いんだろうなって
その顔を見ていたら分かったので
安心してそのスープを口に運ぶと
クリーミーな味わいの中に
玉ねぎとカリフラワーの香りと風味が