第102章 夫婦のバレンタインデーは…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
天空のダイニングと言う名前の
サイレンスリゾートのレストランで
予約していると伝えると
窓際の眺めのいい席の予約席に
案内をして貰った
バレンタインとは言っても
バレンタインは過ぎちゃってるから
10日~12日の辺りの方が
バレンタインの利用はピークだったのかなと
天空のダイニングと言うだけあって
そこのレストランは奥の一面が
全面上から下までガラス張りになって居て
日高山から見下ろす
神南港市の夜景と
大きな窓からは星空を同時に
ディナーを頂きながら頂く事が出来る
「ワイン…お願いして置いたからさ、
杏寿郎…飲んでね。ワイン」
私が妊娠してから
合せてくれて杏寿郎も
家でお酒を飲まなくなっちゃったので
今日はこっちから予約をする時に
お料理に合いそうなフルボディの
ハウスワインを一緒にお願いして置いたから
「奥さん、それは少々卑怯じゃないのか?」
「だって、これぐらいしないと
杏寿郎…、飲まないつもりでしょ?」
「俺は、飲むのは好きだが。
奥さんと飲みたいと思ってるんだぞ?」
「私もちゃんと、気分味わうからさ…
乾杯しようよ?勿体ないでしょ?」
ここで喧嘩紛いの言い争いを
するのは野暮だと言われてしまって
この夜景とワインと雰囲気に
流された気がしないでもないが…
ふぅ…っと杏寿郎が
ため息をつく様にして息を吐き出すと
ソムリエが運んで来て
グラスに注いだワインのグラスを持って
「確かに、奥さんの言う通りだ。
このワインにも夜景にも
何の罪もないからな…。乾杯しよう」
みくりが杏寿郎がこちらに
差し出して来たグラスに
自分のノンアルコールの
ワインの入ったグラスを近付けて
チン…とグラスを合わせて乾杯する
「今年の、バレンタインに乾杯」
「ああ。乾杯」
最初に運ばれて来たのは
白子を使ったクロケットで
『こちら、白子のクロケットになります』
自分の前に置かれた
クロケットをじぃーっと
みくりが眺めていて
「何となくだが、みくり。
それをここでいうつもりか?」
「ヘルシオで作った揚げないコロッケみたい」
…と口が素直な奥さんは…言ってしまった訳だが
「クロケットは、コロッケの
元になったフランスの料理だからな」
サクッとそのクロケットに
ナイフを入れると
中には白子とベシャメルソースが見えて