第102章 夫婦のバレンタインデーは…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
その知識がどこで役に立つ事が
あるのだろうかと杏寿郎は疑問に感じつつ
「で、子牛のミルクやるんだろ?」
すいません 2つお願いしますと
係のスタッフの女性に
杏寿郎が声を掛けて1000円札で支払うと
お釣りとミルクの入った哺乳瓶を2本
受け取るとその大きな哺乳瓶を1本
杏寿郎がこちらに差し出して来て
「ありがとう。杏寿郎」
みくりがそれを受け取ると
柵の向こうでミルクを待っている
子牛の前に移動して
哺乳瓶の吸い口を子牛の口元に
飲みやすい様に角度を調整して
近付けるとジュ―ゥっと音を立てながら
凄い勢いでその哺乳瓶の中を
子牛が飲み干して行く
「見て!杏寿郎、飲んでるっ。
子牛、ミルク、飲んでるよ!」
杏寿郎もと促して来るから
その隣に居る子牛に
杏寿郎が哺乳瓶の先を吸える様にして
近付けると子牛が杏寿郎の手から
ミルクを飲み始めて
「ははは、こうして見ると、
子牛も、中々に可愛いもんだな」
「美味しそうに飲んでるね、ミルク」
「ああ、そうだな」
大きいサイズの哺乳瓶での
子牛のミルクやり体験は
それこそものの5分程で終わってしまって
ゆっくりと牧場の中の
のどかな散歩を楽しむ
「あそこの建物で、ヨーグルトとか
アイス作ったり出来るらしいよ?
2人から体験できるから、
何か手作り体験でもして行く?」
ソーセージを作る体験は
所要時間が3時間程必要だったので
「流石に今からは、閉園してしまうな」
そう言いながら自分の左腕の
ディーゼルの時計で杏寿郎が
今の時刻を確認しながらそう言って来て
「あっちで、革細工とか
キャンドルとかクラフト系の
体験も出来るみたいだけど。
あ、アイスとかバターなら20分だよ?」
「今はアイスは寒いからな、
バターでも作るか?」
「バターって確か、アラビアの商人が
羊かヤギだかの胃袋の水筒に
乳を入れて砂漠を歩いていたら、
それっぽい物が出来てたってやつだよね?」
みくりがそうバターなのか
チーズだかの始まりの話をして来て
みくりが言うには
チーズは乳の中のたんぱく質と油脂分を
固めた物で バターと言うのは乳の中の
油脂分だけを固めた物を言うらしい
「バター作り体験でいいのか?」
「うん、作ったバターは
その場で出来たてを試食できるみたいだね」