第102章 夫婦のバレンタインデーは…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
みくりが杏寿郎が
まだヤギのエサやりをしておらず
手に持ったままだと言って来て
「ねぇ、どうしたの?杏寿郎。
エサやり、しようよ?杏寿郎も。
ほらほら、こっちこっち。
ヤギさんが待ってるよ。杏寿郎」
ぐいぐいとみくりが
杏寿郎の後ろに回って来て
背中を押して移動させて
杏寿郎をヤギの前まで移動させる
「ほらほら、杏寿郎も」
「俺も、ヤギにエサをやれ…って事だな」
ジィ―――とみくりが
杏寿郎がヤギにエサをやる様子を
嬉しそうな顔をしながら見ていて
ヤギにエサを俺がやり終わるまで
注目されたままだったんだが
ヤギにエサをやりおわって
牧場の中を進んで行くと
小高い山になった柵で囲まれたエリアに
自由に草を食んでいる羊の姿を見る事が出来て
「杏寿郎…、こっちこっち。
こっちで子牛にミルクあげられるんだって」
「子牛にミルク飲ませられるのか…」
『こちらの子牛ちゃん達に
今のお時間ミルクやり体験を
して居ただけますよ~。
子牛のミルクやり体験、300円と
なっております、如何でしょうか~?』
牧場のスタッフの女性が
子牛の居る牛舎の前で
テーブルクロスが掛けられている
長机の上にずらっと並んだ哺乳瓶で
子牛にミルクやりができると言って来て
「赤ちゃんの牛さんに、
ミルクあげられるんだって。
牛の身体のブラッシングとか
お母さんの牛にサイレージあげたりとかさ。
そんなのはした事あるけど、赤ちゃんの
牛にミルクはあげた事ないや」
「サイレージ?」
みくりが牛舎の横に並んでいる
貯蔵タンクの様な物を指差して来て
「牧草を乳酸発酵の嫌気性発酵。
えっと、嫌気性発酵って言うのは
酸素を遮断してね?メタンで発酵させるんだけど。
その発酵方法をねサイレージ発酵って言うの」
俺がサイレージと言う聞きなれない
単語について問い返したから…
みくりのサイレージについての
豆知識の時間が始まってしまって
「今はこういう形の
如何にもって感じのサイロは
維持費が掛かるから主流じゃないんだよ。
それに、サイレージは酪農家の
腕の見せ所だからね、水分や
飼料の選定とか配合とかね…。
それに、サイレージで作った飼料は
配合飼料と違って、牛の食いつきが違うからね」
そう言ってうんうんと
みくりが頷いて居たが