第101章 夫婦のバレンタインデーは…中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
行先がどこかも聞いてないけど
日高山の裏日高ドライブウェイにある
ラブホテルに行こうねって話してたけど
もしかして今日も…そのつもりなのかな?
だって…向かってるのって日高山だし
職場を出て15分少々で
今この車が走ってるこの山道こそが
この辺りでも有数のラブホテル激戦区の
裏日高ドライブウエイだから
「やっぱり、日高山と言えばな、
夜景が有名だろう?」
「日高山の展望台は、全国的に有名な
夜景スポットだけどさ…」
「奥さんとな、夜景を見たいと思ったんがな。
この季節だしな、夜景は綺麗に
星空と楽しめるかも知れんが…、
今は、身体を冷やすのはな。どうかと思ってな」
「でも、日高山の展望スペースにはさ
車に乗ったまま見れる所もあるでしょ?」
付き合っている時のデートで
車に乗ったままで夜景が見れる
人気のあまりない展望スペースにも
杏寿郎と来た事があったから
前に行った場所でもあるし…
また来てもいいなぁって思ってたけども
「ああ、あそこの事か…。
前に行った事があったな…君と」
「あの時も寒い時だったからって、
別の展望台から移動したでしょ?」
「あの頃は…、まだ、する前だったしな。
その…、夜景だけ、見て。
そのまま、真っすぐ帰るのも…なって」
そう…だった…な
あの時は…まだ杏寿郎とは
付き合うとは言っても
しばらくの間は…お友達でと…言うか
そう言う事はしないって事を
かなり念を押して交際する事にしたから…
その辺りは…篠田の件があって…
篠田と別れたと言うか
正確には篠田が逮捕された後で
じゃあ篠田がいなくなったからと言って
すぐにそう言う感じの関係になるもって
かなり…そう言う事全般にネガティブだったから
「寄って行くか?あそこの展望台に」
「ねぇ、杏寿郎…さ…」
「憶えてるに決まってるだろう?
なにせ、あそこの展望台は
奥さんと初めてキスをした場所だからな」
奥さんの顔が赤いのは
車の中が暗くても何となくわかるのは
夫婦をやってるからかも知れないが
「ねっ、ねぇ…大丈夫なの?」
「通り道だぞ?どうせ
その展望台の近くが目的地だしな。
ちょっとぐらいなら遅れてもいいだろ?
それとも何か?奥さんは…
そんな、ねっとりとしたキスを
あそこでしたいって言うなら話は別だが…」
「もぅ~!杏寿郎のバカぁ~ッ」