第100章 夫婦のバレンタインデーは…前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
背中を向けていたみくりが
こちらに身体を向けて来て
杏寿郎の胸にグリグリと
自分の頭を擦り付けて来る
擦りと言うか…若干痛いんだが
「杏寿郎は…、
その…さっきので良かった感じ?」
「奥さん的には、ちゃんと…
俺に…出来なかったからご不満か?」
怒ってたのかと思ってたが
どっちかかと言うと拗ねていた様だった
バレンタインだから
自分から奉仕をする日…と
奥さんの中で思ってたのかも知れないが…
「だって…、バレンタインだしさ…?
いつも、こっちばっかり…がさ、
して貰ってる感じするし…、ね?」
「だから、今日はする方を…って
思ってた…って事か?
俺は、こっちがしてばかりとは…
思ったりはしてないぞ?」
ギュウウっと包む様にして
杏寿郎に抱き締められてしまって
よしよしと頭と背中を撫でられてしまう
「でも…っ」
「みくり」
そう静かに杏寿郎が
いつもより低い声で名前を呼んで来て
びくっと思わず身体が跳ねてしまった
「杏寿郎…?」
「いいのか…?」
その声に身体が震える様な
そんな感覚を憶えてしまって居て
「みくり。これ以上は…、
奥さんは喋らない方がいいぞ?
このまま、寝てしまうといい。
でないと…、どうなるか位…わかるだろう?
今の奥さんは、俺を煽り過ぎ…るからな。
そんな可愛らしい顔をしながら、
そんな可愛らしい事を言って来るなんてな。
お構いなしに、一晩中でも…、君を
求めて抱いてしまいかねないからな…」
ぎゅっとその手で口をしっかりと
塞がれてしまって
こっちからは何も言えなくなってしまって
きっちりと布団を掛けられてしまって
寝なさいとまた言われてしまって
寝れない…と思いながらも
そのまま無理やり…寝たのだけども…
何となく…翌日の空気が…微妙だったのは
言うまでも無い話で…
ギクシャク…してしまってる自覚は…
こっちにもある訳で…
私としてはその…あれは
いつもして貰ってばっかりだから
杏寿郎の事を…良くしてあげたいなって
そう思って…した事なんだけどな…
何となくお互いに微妙な距離を保ちながら
翌日の水曜日は過ぎてしまって
そして 更に翌日の
16日の木曜日を迎えた
「なぁ、みくり。
明日の金曜日の事なんだけどな」
夕食の時に杏寿郎がそう切り出して来て