第100章 夫婦のバレンタインデーは…前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「だって、今日はバレンタインでしょ?
週末にするとは言ってもさ、
今日、何も無しって言うのも変なのかなって」
ダイニングテーブルについて
用意されていた夕食を一緒に食べる
とは言っても大分落ち着いて来たとは言え
まだあまり食欲は無いままの様で
奥さんはまだ小食のままだが
「美味いな。キーマカレー」
「うん、良かった。
あ、そうだ…、これ、渡しとくね
はい、バレンタインのチョコレート」
チョコレートとスタバの
抹茶ラテをみくりがこちらに
差し出して来て それを受け取る
「ああ、ありがとう。みくり。
本当に、買って来たんだな…
抹茶のチョコレートと抹茶ラテ」
「夕飯済んだら、抹茶ラテ淹れようか?」
夕食を済ませると一緒に洗い物をして
片付けをすると
みくりが抹茶ラテを淹れてくれて
一緒にソファに座って寛ぐ
「ねぇ、杏寿郎…、チョコ食べる?」
抹茶チョコが食べられるのかと言うのが
よっぽど気になるらしく…
みくりがそう尋ねて来るが
期待に満ちたまなざしを向けられてしまって
どうにもその視線が痛いのだが
「いや、…その…、
君の期待を裏切って悪いんだが…ッ」
むぅ…とみくりが
俺が今は食べないと言うつもりなのを
悟った様で口を尖らせて来て
「ええぇつ!?杏寿郎。
今…、食べないの…?チョコ…。
やっぱり、チョコ…無理そう?
無理だったら…無理に食べなくていいよ」
「いや、食べる…、今は食べないだけだ…ッ」
「いいよ、苦手なの…分かったからッ。
抹茶味ならもしかしたらって思って、
買っただけだし。
それは、貰ってくれなくていいッし」
緑色の抹茶の色をした
チョコレートの箱は奪い合って居て
「だが、君は、抹茶は…食べないだろう?」
「職場…の抹茶好きな人にでも、
それはあげるからさ」
「ダメだ」
「チョコ…苦手なんでしょ?
無理するくらいなら、いいって言ってるのッ」
「だが、これは…奥さんが
俺の為に用意したチョコだろう?
だったら、俺が食べるべきじゃないのか?」
「いや、別に…、
食べられたらいいな~って思って
買っただけだから、そこまでには…」
無理してまで食べてもらう必要もないと
みくりが言い掛けていた口を
杏寿郎の手で塞がれてしまって
その続きを言えなくなってしまう