第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
廊下の方からアオイが誰かに対して
注意をして居る声が聞こえて来て
ズルズルと連行する様にして
アオイが首根っこを掴んで
引きずって来た何かを
ガチャと炭治郎の病室のドアを開くと
ぽいっとゴミでも放り込む様にして
それを部屋の中に入れて来て
そのままバタンとドアを閉めてしまった
「あ、アオイさん、すいませんでした。
うちの善逸が、ご迷惑をお掛けしまして。
ちゃんと俺から言って聞かせますので。
毎回毎回すみません。
こら、善逸。静かにしないか。
ここには俺以外にも、
療養してる隊士が居るんだぞ?」
黄色い地色の散り三角の羽織に
タンポポの様な特徴のある黄色い髪
ガタン…と みくりが椅子から立ち上がると
「我妻さんっ、あの時は…危ない所を
お助け頂きまして、ありがとうございました」
「へ?ええええぇっ?お、俺…の事?
いや、確かに我妻善逸は俺だけどね?
俺、…何もしてないよ?ねぇ、ちょっと。
炭治郎。誰?この可愛い子。
炭治郎の知り合いの子?誰誰?誰なのさ」
「何を言ってるんだ?善逸。
誰も何も、小野寺さんは
お前の事を探して、ここに来たんだぞ?
善逸に助けられたお礼を言いたいって言ってたぞ?
流石だな、善逸。偉いぞぉ~、善逸。
やっぱり、善逸は強くて優しいんだな!」
くねくねとその場で
炭治郎に褒めちぎられて
善逸が全身をくねらせていて
それを見ながら炭治郎が
毎回の事ながら善逸のこの
奇妙な動きとだらしのない顔は
正直気持ち悪いなと内心思ていたんだが
「いや~。そう?そうかな?
ええ~、やだぁ。炭治郎。
遠慮しなくていいからさ、
もっと言っちゃってぇ~」
「我妻さん、ありがとうございました。
我妻さんのお陰です…。
貴方があの時、私を庇って下さらなかったら。
私、だけでなく、
あの子達も助かってませんでしたから。
本当にもう、ダメだって思ってましたので」
炭治郎は内心思って居た
この気持ち悪い動きをしてる善逸を見ても
善逸に対する感謝とかそう言う類の
良いイメージしか善逸に持ってないな
そう言う匂いがする…
それに…善逸は耳で感じ取ってるだろうけど
その感情の中には…
僅かながらに恋心が混じっていて
「えっと…、小野寺ちゃん…だっけ?」
「いえ、善逸さん。
私の名前は、みくりです」