第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
はいはーいと須磨が手を挙げて
天元の酌をしたいと言って
「俺を酔わせてどうするつもりだ?」
「天元様は、これ5本ひとりで
飲んだって酔わないのに?」
まきをが新しい冷酒の瓶を
お代わりの分だと持って来て言うと
「みくりと須磨にも、酌してもらって。
今日の俺は、気分が良いからな。
今度は、お前な。まきを」
そう言ってまきをの持っていた
2合入りの日本酒の瓶を
天元が差し出して来た手に
まきをが乗せると
ぐいっと一気にそれを瓶に口を付けて
一気飲みをしてしまって
「ふふふ、今日は、天元様は
ご機嫌ですね。これも、みくりが
こうして、みんなと一緒に、温泉に
初めて入ってくれたからじゃないかしら?」
あの後から 隠れたままで
少しずつ距離を詰めて
次第にちょっと離れた場所で
顔を合わせない様にしながら
食事を摂る様になったりさせて
極度のコイツの恥ずかしがり屋を
皆で克服させて やっと温泉にも
付いて来る様になってて
今日は一緒にこうして浸かる様になったんだ
よしよしと隣で温泉に浸かっている
みくりの頭を撫でる
「どうだ?派手に良いだろ?温泉」
「そうですよ!みくりちゃん。
温泉は、皆で入ると気持ちいいですし。
一緒にお酒飲んだら美味しいですから!」
「須磨は、ずっと、アンタと
一緒のご飯食べたいだの、風呂入りたいだの
寝たいだの、お出かけしたいだの言ってたしね」
こっちを見ているまきをと目が合って
にこっとその顔が笑顔になる
こうしてると…自分も…
この中の一人…なんだなって
天元様も…
雛鶴さんもまきをさんも
須磨さんも…皆笑ってるから
「私も…そうできたら…と思います」
そう言って浮かべた
みくりの穏やかな笑顔が
みくりにとってここが
安心できる気の許せる場所になって来たって
そう言ってる様にも天元には見えて
「ほら、コレ…、食べてみな…」
雛鶴が用意した
チョコレイトを天元が一粒手に取ると
みくりの方へ差し出して来て
口を開ける様にと促される
「チョコレイトですよ?
とぉーっても、甘くておいしいんです。
狡いですよ~、天元様。
私にも、チョコレイト、食べさせて欲しいです~」
「コラっ、馬鹿須磨っ、アンタは
自分ばっかりっ、ちょっとは空気読みなッ」