第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
「なっ、そんな言い方酷いですよぉ、師範っ。
確かに、試作品は…沢山作りましたけどぉ。
私だって、捨てるの勿体ないから、
毎日、3食とおやつにずっと食べてんですよぉ?
それなのに、それなのに…っ」
「だったらァ、あんだな?」
その師範の言葉にドキッとしてしまった
「残ってるのは、昨日と…一昨日のやつで…」
「あんなら、出せェ」
え?今…師範…何て…言ったの?
「ふぇ?え?でも…あれは、
お砂糖の量を間違えちゃったやつで。
恐ろしい程…甘すぎる…んですよ??」
甘い物に甘い物を組みわせて置いて
砂糖を更に加え過ぎる程にプラスした
言わば糖分の塊を出せと言われてしまって
「あん?だからどうだってんだァ。
俺が、出せ、つったら、出せ。
さっさとしろォ!10秒以内だァアア!」
「分かりましたっ、分かりましたからぁ!
出します、出しますよ。出せば良いんでしょ」
そう言って 水屋の食器類の後ろに
隠して置いていた試作品の
大皿に乗って山になったおはぎを持って来ると
白いカビが生えた様に表面が真っ白で
「何だァ?この白いおはぎはよォ」
「それは、表面に粉砂糖が付いてるからです。
あの、師範…、材料費はちゃんと…
自分のお給料から出したので…。
お屋敷にあったもち米とかお砂糖は…」
「んな事ァ、聞いてねェだろうがよォ。
俺ァ、任務帰りで腹減ってんだァ。
それから、疲れてもう、手も足も
動かしたくねェ、だから…」
あっちと屋敷の縁側を指差すから
はぁ…とみくりがため息を付くと
真っ白のお砂糖まみれのおはぎを持って
縁側へ移動すると
縁側に置いている
座布団と長座布団を並べて
不死川が横になれる場所を作ると
「おはぎだけだと、喉詰まりますから。
お茶を淹れて来るので、師範は
そこで横になってお待ち下さい」
「わぁったよ。みくり。早くしろォ。
枕がねぇと、こちとら寝れねぇだろうがァ」
師範はあんな感じの見た目で
誤解されやすいけど
(顔も怖いし目つきも怖いし
すぐに大きな声出して怒鳴るし)
案外あれはあれで可愛らしい所があったりする
お茶を持って戻って来ると
長座布団の上で横になってる
師範のお腹の上に近所の野良猫が乗っていて
ゴロゴロと喉を慣らして寛いでいるから
「テんメェ。野良猫ォ、人の腹の上で
喉、上機嫌に鳴らしくさってェ」