第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
ぎゅと…こっちの身体に
みくりが抱きついて来て
その髪の香がふんわりと香って来る
「まだ…、治らなくて…いいもん。
治らなかったら、まだ、炭治郎…。
ここに、蝶屋敷に…居てくれるでしょ?
だから、まだ…。体力…戻らないでッ」
よしよしとみくりの頭を
炭治郎が撫でて
コツンとみくりの額に自分の額を合わせる
「ごめん…、炭治郎…。
こんなの、ただの我が儘…だよね…。
怪我して欲しくないけど、怪我したら
ここに来てくれるの分かってるから…」
「ごめん、付き合ってるのに、
こんな時にしか…会える時間作れなくて。
みくり…ごめん、みくりだって
毎日、朝から晩まで…頑張ってるのに。
俺も、ちゃんと頑張って任務に復帰して。
それで、ちゃんと、みくりに
怪我で来るんじゃなくて、会いに来るから」
自分の身体を抱きしめる様にして
回して来ていた
みくりの腕の上から炭治郎が腕を
回してギュウッと包み込む様にして抱きしめると
身長そんなに…変わらないのに
こうされてると…やっぱり
炭治郎…男の子…なんだなって思ってしまう
「っと、ここ…廊下…だったな…。
俺、早く…お礼が言いたくて。
周りが全然見えてなかったみたいだ。
その…部屋…、来てくれるか?一緒に」
炭治郎が使ってる部屋は…個室の病室で
そのまま一緒に病室の中に入る
「ああ、待ってその前に…」
ドアのノブに面会中の札を掛けて
「うん、これで良し。さ、入って」
「お邪魔…します…」
「ここ座って、そしてこれ…
一緒に食べないか?しのぶさんから
これを貰ったんだ、さっき」
そう言ってチョコレイトの箱を
炭治郎がこちらに見せて来て
「これっ…、チョコレイト…」
「俺、食べるの初めてだけど。
凄い、甘いいい香りがするんだな。
しのぶさんがみくりがこれが
好きだからって、くれたんだ」
そう言って4粒入っている
チョコを1粒手に取ると
そのままずいっと差し出して来て
これを食べろと言う意味らしいので
恥ずかしいと思いながらに
あーんと口を開くと口の中に
甘いチョコレイトの香りがして
もぐもぐとチョコレイトを咀嚼すれば
その甘さが口の中に溶けて満たされるのを感じる
「みくりから、
チョコレイトの匂いがするな…」