第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
「炭治郎君が…眠って居た…2ヶ月の間…。
貴方の身体のリハビリをしていたのは
みくりなんです。人の身体…と言うのは
長時間動かさなければ…筋力が低下して
筋肉が痩せて行きます…、関節も硬くなり
そのまま固まってしまうんです。
今の…貴方の身体…に、
不自由な場所はありますか?」
そうだ…あの鬼に折られた指も…
綺麗に治ってるし…動かせる…
俺が…あの戦いの後…眠って居た間に
「貴方の意思で動かせる…貴方の身体の
その関節のひとつひとつを…、
彼女が貴方が眠って居る間に毎日数回
欠かすことなく、
貴方の代りに動かしてくれたから。
でも、あの子が気にしてるのは…
そこではありません。貴方が目覚めた時に
一番に出会えなかった事を拗ねてるだけなんです」
「しのぶさん…俺、眠ってる間…
感じて居た…かも…、知れません。
俺に…その日の事を話しかけながら…。
俺の身体を…ッ、そうしてくれてた手の
温もりを憶えていますッ!夢だって…
ずっと…思ってました…、
話らしい話も…全然出来て無くて…ッ」
ニコッとしのぶが笑うと
小さな包みを炭治郎に向けて差し出して来る
「これを、炭治郎君に差し上げます」
「しのぶさん、コレ…お菓子ですか?
とても、甘くていい香りがするお菓子ですね」
「ええ、これは外国製のチョコレイトです。
みくりは、チョコレイトが好きなので。
きっと、これで機嫌も直ると思いますよ?
あー、そうそう、私からみくりには
受け入れした隊士がある程度落ち着いたら
休憩をする様に伝えて置きますから。
後は、炭治郎君にお任せしますね?」
「はいっ!!
ありがとうございます。しのぶさんっ!
俺ッ、ちゃんと、みくりと話します!
これっ、ありがとうございましたっ!」
しのぶの診察室を後にして
自分の手の中のチョコレイトの箱を眺める
しのぶさんはああ言ってたけど
チョコレイトって高級菓子じゃないかな?
じっとあの鬼に折れた指を眺める
自分の手を曲げ伸ばしして
その動きに違和感を感じない
しのぶさんはああ言ってたけど…
みくりが俺が眠ってる間に
してくれてた事は…簡単な事じゃない…
いつも忙しそうに仕事をしていて
自分が休む時間だって…そんなにないのに
その時間を惜しんで…俺の為に…
「ちゃんと、お礼…言わないとな」