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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第22章 惣菜屋さんの筑前煮 前編 お相手:煉獄杏寿郎


杏寿郎の言葉に
みくりがキョトンと目を丸くさせた

看板メニューなのだから
毎日置いているのだけども…


看板なだけあって

ほとんど毎日 

筑前煮は多めには用意しているが
そんなに残る事はないのは確かだけど…


父さんが亡くなってからも
うちに来てくれる お客さんの多くが
必ず買って行くのが 筑前煮だから

「ええ。
今日は…まだありますよ?
でしたら、お包み致しましょうか?
少々お待ち頂いても?」

そう言って みくりが店の中に戻ると
筑前煮の残っていた分を包んで
軒下の竹の長椅子に腰を降ろして
待っていた杏寿郎に手渡した

「ああ。すいません」

「人気があるので、いつも多めには
用意するのですが、
…早く出払ってしまう日もあるので。
今日の分も、これで終いです」

どうぞとみくりが杏寿郎の手に
その包みを持たせる

「あの、みくりさん…いいだろうか?」

いいだろうかと

そう声を掛けられて
何を聞かれたのか悟って

キョロキョロと周囲を見回して
誰も居ないのを確認すると

みくりが自分の瞼を閉じて
彼からの口付けを受け入れる

触れているだけの口付けから
ほんの少しだけ 舌を絡まされて

名残を惜しまれる様に


唇を離される…


「これ以上…は、してしまったら
俺が家に帰れなくなってしまいそうなので」

そう微笑を浮かべながら
杏寿郎が言って来て

彼のその言葉に

これ以上の口付けと

帰れなくなると言う言葉の真意を


妙に意識してしまって

自分の心が
甘い期待で乱されてしまうのを感じる

弟さんに顔向けが出来ないから
今日は帰ると 彼は言ってると言うのに

「では、また、明日…改めて
お迎えにあがります。それでは…」

そう言って

名残を惜しむかの様にして

もう一度 
彼の方から 唇を重ねられれば

思わず 
ギュッと彼の着物の胸元を掴んで


握ってしまっていた


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