第22章 惣菜屋さんの筑前煮 前編 お相手:煉獄杏寿郎
彼の杏寿郎さんの住んでいる
お屋敷を外からなら 見た事はあるが
この辺りでは一番大きなお屋敷だ
買い物を済ませて
並んで歩きながら
つい 無意識の内に
彼の顔を見てしまっていたのを
彼に気付かれてしまったようで
「みくりさん。
俺の顔がどうかなさいましたか?」
「いえ…、その、ありがとうございます。
着物…買って頂いてしまって」
「お礼は結構だが?必要経費…と言う物。
明日はそれで、家に来て頂きたい。
お時間はまだ大丈夫でしたか?」
「え、ええ。まだ…時間はあるには
ありますが…それが、何か?」
「それを聞いて安心しました。
では、あちらで…お茶でもと思いまして」
そう言って彼が指さしたのは
最近出来たフルーツパーラーで
出来たのは確か
3ヶ月ほど前だったか
店内に入ると 数組の女性客が
まばらに席についていて
店員に案内されて 席につくと
こちら側からメニューが見やすい様に
私の方側へメニューを向けてくれる
向こうから メニューを見ながら
注文をどれにするのか杏寿郎が
こちらに対して確認をしてきて
私はこの店の売りで
おススメ商品である
プリンアラモードを注文する事にした
「でしたら、これと…。
メニューに載っている、ここから
ここまでをお願いしたいのだが」
と彼が注文した時の
店員の若い女性が目を丸くして
驚いた様子を隠せずに
何度も注文の再確認をして来るのを
隣で聞いていて思わず
私は噴出してしまった
しばらく会話をしながら
待っていると 注文をした物が届いて
自分が注文したプリンアラモードを
私が食べていると
物凄い量のパンケーキやパフェやら
フルーツサンドやらが次々に運ばれて来て
数人の店員が代わる代わるに
品物を運んで来て
テーブルが埋め尽くされて行く様は
なかなかに壮観な眺め過ぎて
圧倒されてしまったのだが…