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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第22章 惣菜屋さんの筑前煮 前編 お相手:煉獄杏寿郎



「………ーーーた?」

その 槇寿郎の問いかけは
杏寿郎の耳には届いてはおらず

杏寿郎は 前に自分の父と
会話らしい会話を交わしたのは
いつだったかを思い出していた

それにしても珍しい…な
 
父上の方から
俺と話がしたいと仰られるのは

前にそう言われたのは
もう記憶が薄れつつもあるが

随分と前に

鬼殺隊を辞めろと
凄まれて以来な様にもある

と考えていて
ハッと杏寿郎は我に返って

ちらりと視線を
槇寿郎の方へ向けた
その表情から察するに 


どうやら俺は


父上の仰られていた事を
聞き逃してしまっていた様だった


耳に入って居なかったのもあるが
あまりにも小さな声だったので
聞き取れなかったのもあったと言うのは

只の言い訳にしかなくて

考え事をしていて
聞き逃してしまったのが事実だ

ふぅーっと杏寿郎の様子を見て
槇寿郎がため息をつくと
自分の額に手を当てながら

「任務帰り…とは言え、
炎柱とも呼ばれる者が随分と
腑抜けすぎではないのか?どうなんだ?」

自分には炎柱としての自覚が
足りないと そう槇寿郎に指摘をされて

気を抜いていた事には違いがなく

「父上のご指摘の通りにあります」

そう杏寿郎が 力なく答えた

その杏寿郎を見て
呆れたと言いたげに
槇寿郎が鼻から息を漏らすと

「女にかまけるのもいいが…、
その様子では、先が思いやられる。
どちらでも…
好きな方をやめても構わないのだぞ?」

父上が仰られる事は
一理あるにはあるのだが

それにしても 随分な物の言われようだ

どうにも 父上からは

俺が炎柱を辞めないのも
彼女との交際を止めないのも

どちらも 気に入らないらしい…

「お話は…
その件についてでしたでしょうか?」


「いや、俺がお前に
聞きたいと思って居たのは
そんな事ではない。
あれは…どこで、手に入れて来た?」

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