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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第22章 惣菜屋さんの筑前煮 前編 お相手:煉獄杏寿郎


その杏寿郎の問いかけに
千寿郎が何が言いたいのかを察して
目を輝かせながら問い返して来る

「いえ、今から行く所ですが。
もしや…兄上。例の物が、
今日はあるのですか?」

ニコッと杏寿郎が笑顔になって
手に持っている”例の物”の
包みを千寿郎の前に差し出すと
千寿郎がそれを受け取る

「ああ。
今日はまだ残っていたからな…。
千寿郎、
これを父上に…頼めるだろうか?」

「はい。ありがとうございます。兄上。
僕は、あちらで用意をして参りますので。
お仕事からお戻りになられたばかりで、
お疲れの事でしょうし。兄上は、
先にお風呂へ入られては如何ですか?」

まだ 幼いながらに
任務に出て俺が疲れていると思ったのか
細やかな気遣いをしてくれたのが
嬉しいと感じてしまいながらも

我が弟ながらに

もし彼が 女性で在ったのならば
かなりの良妻になるのではないかと

そんな事を考えてしまいつつ

心の中が温かくなると共に

その弟の優しさが
疲れた心を癒してくれる様だと
そう感慨深く感じていると


「あの…、兄上」

「ん?どうした?千寿郎」


「あの、兄上。
今夜は…、えっと、
…あちらへは
お泊りにはなられないのですか?」


その弟からの問いかけに
一瞬 杏寿郎は返答を詰まらせてしまった

あちらと千寿郎が言っているのは
みくりさんの家の事であり

まだ 幼い弟に
変な気を遣わせてしまったか…

兄として 情けない限りではあるが


「いや、千寿郎。
些か誤解があるようだが…」


今日はあちらへは泊まらないのだと

言いかけてはみた物の…だ

その 男と女のそう言う色めいた事や
惚れた腫れたがどうだのと言う事を

実の弟とは言えど
歳の離れた 弟に

あまり 明け透けに 
ベラベラと話し過ぎるのも
教育に良くないだろうし


だからと言って

あまりに包み隠し過ぎて
何も言わないのも 

彼を一人前の男として扱わずに
子ども扱いしていると言う事になるし…


どうしたものか…と杏寿郎が思案をしていると
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